自動車を所有していれば、必ず避けては通ることができないもの。それが車検です。
国が定めた安全基準、正確には保安基準に適合しているかを一定の期間を設けて確認することであり、自動車を使用する上で最低限の安全を確認すること。
必要であることは誰しもが認識していることですが、その出費は決して無視できません。
そんな悩ましいユーザーのために、今ほど車検委託先の選択肢が多くなかった頃から味方になっていてくれた候補の1つがガソリンスタンドです。
ガソリンスタンドは車に乗っていれば必ず利用する、社会インフラ、ライフラインの一部と言っても過言ではない施設に他なりません。
このページでは、ガソリンスタンドで車検を行った場合のメリットやデメリット、相場感、意外と知らないガソリンスタンド選びのポイントなどを紹介していきます。
代表的なガソリンスタンド
それではまず、代表的な車検専門業者を紹介していきましょう。
ENEOS(エネオス)

引用:http://www.hedaunsousen.com/
JXエネルギー株式会社が運営するガソリンスタンドのブランド名で、全国に10,000か所を超えるサービスステーションがある日本最大手です。
日本国内のガソリンスタンドが約3万件であるため、国内にあるガソリンスタンドの3分の1がENEOSということになります。
車検においては統一してDr.Drive車検があり、エコノミー、セーフティ、パーフェクトと、わかりやすくコース分けされているのが特徴です。
そしてDr.Driveは、愛車のホームドクターとして、日常の安全点検から車検、オイル交換、洗車などカーライフをトータルでサポートする、ENEOSが展開するサービスブランド名でもあります。
国家資格整備士の資格をもったスタッフがフルサービスの店舗はもちろん、セルフサービスの店舗にも在籍しているほか、洗車などのカーライフケアのプロとして、サービス技術の向上に努めています。
元売企業情報
名称 JXエネルギー株式会社(元売り)
所在地 東京都千代田区
ガソリンスタンド数 10,706店舗(2015年時点)
出光

引用:http://media.kddi.com/
出光興産株式会社の完全子会社である、出光リテール販売が運営するガソリンスタンドで、店舗数は3,700店舗以上で業界第2位となっています。
民族系企業として、長年その名称やギリシャ神話のアポロンをイメージした「アポロマーク」の変更をせず、一環として存在しているため、ガソリンスタンドといえば出光というイメージを強く持っている方も少なくありません。
車検サービスとしては、「出光リテール車検」があり、全国で年間5万台という車検実績を誇ります。
出光リテール車検は、過剰整備を行わない、事前見積り後の追加料金なし、指定工場や国家資格整備士が常勤などが特徴です。
元売企業情報
名称 出光興産株式会社
所在地 東京都千代田区
ガソリンスタンド数 3,725店舗(2015年時点)
COSMO(コスモ石油)
元売はコスモ石油株式会社、ガソリンスタンドの数は全国に約3,000か所あり、「Heart-Full。ココロも満タンに、コスモ石油」という有名なキャッチフレーズを使用している企業になります。
提供されている車検は、「Auto B-cle車検」や「コスモ車検」です。
どちらの車検も無料見積りの実施や、国家資格整備士の存在、対話型車検であることは同じですが、大規模な車検場を設けた「Auto B-cle(オートビークル)」店舗も存在します。
元売企業情報
名称 コスモ石油株式会社
所在地 東京都港区
ガソリンスタンド数 3,054店舗(2016年時点)
昭和シェル

引用:http://www.showa-shell.co.jp/
昭和シェル石油株式会社が展開するガソリンスタンドで、3,000か所以上の店舗数、国内シェアは約10%となり、日本国内においては第4位です。
全国1,000カ所を超えるネットワークで行われているのが「シェル車検」、ユーザー代行ではなく、法定点検付き、さらに2年後の車検までにロードサービスが付くなどの特典があります。
元売企業情報
名称 昭和シェル石油株式会社
所在地 東京都港区
ガソリンスタンド数 3,317店舗(2015年時点)
エッソ・モービル・ゼネラル

引用:https://www.esso.ca/~/media/amer/
上記の4社とは少し違い、3つの主要ブランドを東燃ゼネラル石油株式会社取り扱う形で販売され、全国にガソリンスタンドを展開しています。
セルフ式のガソリンスタンドが解禁されると、いち早く「Express」というセルフ専用のブランドを立ち上げたことでも有名です。
カーライフを包括的にサポートするトータルカーケアサービスとして「ドライバーズリンク」というトータルケアプログラムが展開される中の1つのサービスとして「ドライバーズリンク車検」があります。
シンプルでリーズナブルな価格と、専門工場での安心作業、一日車検などが特徴です。
元売企業情報
名称 東燃ゼネラル石油株式会社
所在地 東京都港区
ガソリンスタンド数 3,481店舗(2015年時点)
ガソリンスタンド車検の特徴
先述したように、ガソリンスタンドはそれぞれが独立した企業や商店が経営しているため、元売りが設定した車検を扱っていない場合も少なくなく、さらには同じ名前の車検商品でもその店舗ごとに大きく違う場合があります。
また、車検を行うためには指定工場か認証工場でなくてはならず、さらに認証工場の場合、陸運支局まで陸送し、検査ラインを通さなければなりません。
敷地内に整備工場、ましてや指定工場を併設しているガソリンスタンドは極端に少なく、何店舗かの車検を集約し自社工場で点検や整備行うか、提携している整備工場や民間車検場に出すことになります。
つまりは上がっている看板で選ぶというよりも、自宅の近くや通勤経路沿いなど、自身のライフスタイルに合ったガソリンスタンドが、どのような車検を実施しているのかを知る必要があるわけです。
ガソリンスタンド車検の費用とメリット・デメリット
ここまでの特徴などを踏まえたうえで、ガソリンスタンドで行う車検のメリットとデメリットをまとめてみました。
ガソリンスタンド車検の相場
ガソリンスタンドで行う車検の費用は、法定費用、追加整備を除いた車検基本料金は9,000円~25,000円と幅はあるものの、ディーラーと比較すると割安です。
下記デメリットでも説明しておりますが、ガソリンスタンドによっては実際に車検を行う工場が自社の場合と提携工場の場合があるため、金額にも開きが見られます。
- ガソリンスタンド車検のメリット
- 給油や洗車のついでに依頼できる
- ディーラーや民間車検場と比較すると安価
- 土日営業や24時間営業のため依頼しやすい
- 優待サービスがある店舗も多く、維持費の節約につながる
ガソリンスタンド車検のデメリット
- 車検工場を併設していない場合、短時間車検に対応できない
- 自社工場でない場合、提携工場での作業となるため技術レベルが見えづらい
- 万が一、整備ミスがあった場合など、責任の所在があいまい
- 代車が無い、もしくは用意されている台数が少ない
まとめ – 手軽に使える車検業界の新興勢力
自動車を所有していて一番多く立ち寄るところ、それはガソリンスタンドに他なりません。
そんな場所であるからこそ手軽に気軽に利用でき、料金もリーズナブルなガソリンスタンドの車検のいいところです。
しかし、デメリットが全くないわけではありません。
もちろん車検を取り扱う他の業態にも必ずデメリットはありますので、このサイトを参考に自分に合った車検の依頼先を考えてみてください。
もし行きつけのガソリンスタンドがあるという方は、スタッフの方に車検の相談をしてみるのもオススメです。