自動車を所有していれば、必ず避けては通ることができないもの。それが車検です。
国が定めた安全基準、正確には保安基準に適合しているかを一定の期間を設けて確認することであり、自動車を使用する上で最低限の安全を確認すること。
必要であることは誰しもが認識していることですが、その出費は決して無視できません。
こうした問題を前にした時に、新聞の折り込みチラシや、ポストに「格安○○車検 ★★★★円~!」なんてチラシが入っていたら、お願いしたくなってしまいますね。
けれど同時に、そんなに安くて大丈夫なのか不安になってしまうのも事実です。
このページでは、今や多く見かけるようになった車検専門店の特徴や、各企業の紹介はもちろん、皆さんの不安や疑問を少しでも解消できるような内容を紹介していきます。
そもそも車検専門店とは

引用:http://www.alfaromeo-jp.com/maestroservice/
車検と言えば、安くても10万円以上はかかり、数日間は車を預けなければならないというのが常識でした。
そこで90年代に誕生し、2000年代に入ってから急速に成長した業態が、いわゆる「車検専門店」と呼ばれる車検に特化した整備工場です。
成長の理由である「売り」は、何と言っても「安い・速い」に尽きます。
こうした車検専門店の登場が、それまであった車検の「高い・遅い」というイメージを覆し、価格と時間を半ば諦めていたユーザーに、新たな選択肢として世の中に受け入れられたのです。
近年ではいくつもの業者が誕生し、そのほとんどがフランチャイズチェーンとして、日本全国どこに行っても見ることができるようになりました。
代表的な車検専門業者
まずは、代表的な車検専門業者を紹介していきましょう。
車検のコバック
いま全国にある様々な車検専門フランチャイズチェーンの先駆けとも言え、現在ある車検専門チェーンの基盤を作ったとされる企業です。
始まりは愛知県豊田市の町の整備工場で、自動車整備業界の実情に危機感を覚え、明瞭かつ安くて速い車検を提供することで成功しました。
その独自システムとノウハウを武器に、車検専門店のチェーン展開に乗り出したようです。
店舗数は数ある車検専門チェーンの中でもトップで、全国どこにでもあることはユーザーにとって大きな魅力と言えます。
運営企業情報
名称 株式会社コバック
所在地 愛知県豊田市
店舗数 468店舗(2016年時点)
ホリデー車検
車検のコバック同様、全国にまんべんなくチェーン展開しています。
平日に仕事で時間のない人でも、時間と手間をかけず、土日に車検ができるようにという思いから「ホリデー車検」と名付けられました。
今ではディーラーを含め様々な車検工場で行われている「立会い車検」を始めた企業で、「早い・安い・納得」を売りにしています。
車検を考えているユーザーにとって、有力な候補となる企業の1つです。
運営企業情報
名称 株式会社ホリデー
所在地 大阪府大阪市
店舗数 270店舗(2016年時点)
車検の速太郎
店舗数はそこまで多くはないものの、西日本を中心に全国的に展開をしており、これからますます店舗数が増えてくる企業です。
早くて安い、立会いでの納得はもちろん、分かりやすい料金体系が特徴になります。
運営企業情報
名称 株式会社速太郎本部
所在地 広島県広島市
店舗数 100店舗(2015年時点)
カーコン車検(旧ヤマト車検)
トータルカーライフをサポートしている大手カーコンビニ俱楽部が運営している車検フランチャイズで、旧名はヤマト車検です。
板金で有名なカーコンビニ俱楽部での全国ネットワークやノウハウが特徴で、日本全国に展開しています。
車検での売りは何と言ってもユーザー立会いでのチェックで、外観から下廻り、エンジンルームなどをユーザーと共に確認し、その後に見積もりを作成するため、納得して車検を受けることができる店舗の1つです。
運営企業情報
名称 カーコンビニ倶楽部株式会社
所在地 東京都港区
店舗数 250店舗(2016年時点)
アップル車検
上記の4企業との一番の違いは、フランチャイズではなくボランタリーチェーンであるということです。そのため、会員工場の独自色が色濃く反映されています。
納得して車検を行うために実施される無料見積ですが、アップルでは、しっかりとリフトアップするだけでなく、10分間という短時間で無料見積もりが可能となっており、時間に余裕のない方でも安心です。
また、整備箇所についてはユーザーの了承を得たうえで実施するのはもちろん、アンケートを実施してユーザーの声として反映させるなど、ユーザーが安心して納得の車検が受けられるような取り組みが伺えます。
運営企業情報
名称 アップルグループ本部
所在地 千葉県千葉市
店舗数 115店舗(2016年現在)
チャレンジ車検
アップルグループと同じくボランタリーチェーンとして全国規模で展開している、車検専門チェーンです。
1時間車検はもちろん、さらにサービスを簡略化した50分車検、料金がわかりやすい車検など、多くの車検メニューが用意され、どんなニーズにも対応できるようになっています。
もちろん立会い見積も実施し納得の車検です。
運営企業情報
名称 チャレンジグループ
所在地 大阪府大阪市
店舗数 119店舗(2016年)
車検専門店は本当に「安かろう悪かろう」なのか?
車検専門店で行われる車検がディーラーに比べて安いと、車検の品質が低いのではないかと不安になっている方も多いと思います。
そこでここからは、車検専門店がどうしてディーラーよりも安くて早い車検をユーザーに提供できるのか紹介していきましょう。
車検専門店はなぜ安い
車検を終えた納品書や請求書の項目の中には、一般のユーザーにとっては不明な手数料や代行料などが明記されていることが少なくありませんでした。
もちろん違法な料金ではないのですが、各工場による名称の違いや、金額の違いにより、不明瞭という印象が拭えないというのが実情です。
車検専門店では、そういった手数料や代行料を廃止し、基本点検料と合わせて1つにすることで、低価格とわかりやすい料金体系で提供しています。
また、車検専門店はもちろん、ひと昔前に比べ、車検にかかる平均費用は安くなりました。その理由は、「ニューサービス車検」という概念にあります。
車検では、法律で定められた基準に則って検査、及び整備が行われますが、車検工場ではさらに、社内規定と呼ばれる基準を設けることが義務付けられています。
こうして、いくつかの項目で保安基準よりも厳しい基準を設け、点検の結果をその基準に照らし合わせ、ユーザーに見積もりを提示しているのです。
車検専門店では点検料などの価格を低く設定しているのはもちろん、社内規定を少なくし、「ニューサービス車検」の概念にそって、最低限の整備で車検に合格できるようにしています。
そのため整備にかかる費用を抑えているため、低料金で車検を終えることができるのです。
車検専門店はなぜ早い
どの車検専門チェーンの店舗も、ほぼ間違いなく国土交通省指定の工場、いわゆる「指定工場」に該当します。
そのため車検点検、及び整備後にわざわざ車検場へ検査ラインを通しに行く必要がなく、すべて自社工場で最後まで行うことができるため時間短縮はもちろん、土日祝日でも車検取得が可能なのです。
また、車検に特化している体制のため、点検や車検整備、事務処理など各部門に複数人が同時に携わる体制となっていることも、短時間で車検が行える理由になります。
そして早さの理由として、低料金と同じく「ニューサービス車検」の概念があるため、ユーザーとよく相談した上で、修理や整備する項目を少なくし、作業時間の短縮をしているのです。
ニューサービス車検とは
ざっくり説明すると、「ニューサービス車検」とは「自分の車は自分でしっかり管理し、整備工場は、ユーザーのサポートをしなさい。」というものです。
車検専門店のメリットとデメリット
続いては、車検専門店でのメリットとデメリットを紹介していきます。
ディーラー車検のメリット
まず何と言っても、車検専門と特化することでの効率化による、低価格と短時間が大きなメリットです。
そして多くの業者が同じ看板で営業しているため、転勤などで引っ越してしまっても、全国どこでもほぼ同じような車検を受けことができます。
ディーラー車検のデメリット
国産車のオイル交換やパッド交換程度の軽整備であれば大差ありませんが、レアな故障や輸入車の場合、ディーラーに入庫しなくてはならないことが少なくなく、ディーラーに比べるとその修理箇所にかかる時間や費用が多くかかる場合があります。
まとめ
車検は安く早く終わらせたい。そんなニーズに応えてくれるのが車検専門店です。
車検はあくまで国の基準に適合しているかの確認であるということを忘れず、もし整備士の説明や見積で分からないことがあれば、どんな些細なことでも質問し、安心して納得の車検を受けるようにしましょう。