キャデラックやシボレーの車にお乗りの方で、これから車検をとお考えの場合、まず候補に上がると思われる依頼先として、購入した店舗か、お近くのキャデラック・シボレーディーラーがあると思います。
ディーラーは高いというイメージが強いのは否めませんが、本当に高いだけなのでしょうか?
このページでは、キャデラック・シボレーディーラーでの車検の詳細と、実際の相場を見ていきたいと思います。
ディーラーは高いからはじめから候補にすら考えてない!という方にも、ぜひご一読いただき、必ず訪れる車検をより安心で、納得したものになるよう、ご参考にして頂ければ幸いです。
キャデラック・シボレーディーラーの車検への取り組み方

引用:http://www.cadillacjapan.com
自動車メーカーにとって、販売した顧客だけではなく、公道を走るすべてのキャデラック・シボレー車に対してのアフターサービスは、大切な業務の一つであり、数あるアフターサービスの中で、もっとも一般ユーザーの関心が高いのが車検です。
現在キャデラック・シボレーの正規ディーラーは、ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社が輸入元となり、ヤナセや光岡、ファイブスターなど複数の法人が運営しています。
正規ディーラーならではの高品質なサービスと元整備士のフロントスタッフが中心となるサポート体制

引用:http://www.chevroletjapan.com
下記に記しているように、キャデラック・シボレー正規ディーラーには専門もトレーニングを積んだメカニックが、実際の点検や整備作業を行うため安心ですが、専門もトレーニングを受けているのは、整備士ばかりではありません。
一見販売が主な業務に思える営業マンも、日々キャデラック・シボレーに触れ、ユーザーの生の声を一番身近で聞いているスタッフですし、整備や車検で来店した際に応対する、いわゆるフロントスタッフも同様にトラブルやユーザーの要望をよく認識しています。
余談ですが、ほとんどの整備工場にいるフロントスタッフは、ワイシャツにネクタイ姿のため、時に現場の整備士たちより知識が無いと思われることがありますが、実はほとんどのフロントスタッフは、現場上がりの元整備士です。つまり、中には現場の整備士よりも、知識も腕もあるフロントスタッフが居ますので、現場の整備士より、最適な提案をしてくれるかもしれません。
メカニックの技術トレーニングと整備技能認定制度

引用:http://www.chevroletjapan.com
キャデラック・シボレー正規ディーラーに勤務するメカニックは、車の構造・機構別に設定された多様なウェブトレーニングと、それらを実車で確認するためのインストラクターによるトレーニングで構成され、カニックのレベルに応じたトレーニングプログラムを受けることで、常に高品質な車検や整備を提供するためトレーニングを積んでいます。
さらに、それぞれのレベルで必須とされるウェブトレーニングとインストラクターによるトレーニングを修了したのち、認定試験に合格する必要があります。
整備技能認定性度には、メカニックのレベルに応じて「GMメカニック」、「シニアメカニック」、「マスターメカニック」の3段階の資格があり、最上級資格であるマスターメカニック認定試験は、「マスター1」と「マスター2」の2部構成で、「マスター1」では、総合的で深い知識が求められる学科試験が行われ、「マスター2」では、故障診断に必要な高度な知識が求められる学科試験と、実車を使った故障診断の実技試験が行われます。
そして、年に一度行われる「マスター1」の終了試験に合格した後、最高難度の「マスター2」のトレーニングと認定試験に合格した者にのみ「マスターメカニック」の称号が与えられるのです。
このように正規ディーラーのメカニックたちが、数々のトレーニングや認定試験に臨むのは、扱っているメーカーの知識はもちろん、故障探求などにおいて、どの整備工場にも負けない技術を持っていなければならないからにほかなりません。
故障や整備のときはもちろん、何気なく依頼した車検でも、将来起こるかもしれない小さな故障を見逃さず、適切な処理や、今後のアドバイスをしてくれるのです。
高水準の純正部品
自動車は、小さなネジまで含めると2~3万点の部品で構成されています。どれも安全で快適な走行には無くてはならない重要な部品ばかりです。
また、その多くの部品は互いに制御し合ったり、チカラを受止めあったりしながら常に作動しています。
そのため、一つの部品に不具合が生じ、そのまま放っておくと、故障範囲が広くなり、修理代が余計にかかってしまうのです。例えるなら人間と同じように、痛い足をかばっていたら腰が痛くなるのと同じですね。
では、実際に整備や交換に使う部品についてはどうでしょうか?
純正部品を使う1番のメリットは、やはりその品質です。そのメーカーのロゴや、名前が刻印されるためには、そのメーカーが定める厳しい品質試験に合格していなくてはなりません。
特に影響するのは、部品の寸法や真円度などの精度です。交換する部品が付いていた相手方が純正、方や交換する側の部品が粗悪な社外品だった場合、その交換した部品の耐久年数が悪いだけでなく、純正側の部品にも悪影響を及ぼす可能性があります。
もちろん社外品がすべて粗悪品で、製造精度が低いという訳ではありませんが、確率的な問題で、純正部品は高品質と言えるのです。
キャデラック・シボレー新車保証 延長プログラム

引用:http://www.chevroletjapan.com
新車登録から3年60,000kmまでは新車保証が付いているため安心ですが、このサイトをご覧の方の多くが、3年目の車検、またはそれ以上の年数が経たれているのではないかと思います。
キャデラックやシボレーには大型の自動車や、高級車が多いため、車検に通らない箇所が指摘されてしまったり、車検後に故障が起きてしまったりすると、とても大きな修理費を負担しなくてはならなくなる可能性があります。
そこで安心なのが、「CADILLAC/Chevrolet WARRANTY PLUS(キャデラック・シボレー新車保証 延長プログラム)」です。
このサービスは、新車保証を4年から最長5年、走行距離無制限で加入できるサービスとなっていますので、安心して長く乗ることができます。
なお、上記の各延長プログラムには、車種による加入金額の違いと、加入条件が有りますので、詳しくはキャデラック・シボレー公式サイト並びに、各キャデラック・シボレー正規ディーラーにお問い合わせください。
キャデラック・シボレーディーラー車検基本料金
キャデラック・シボレーディーラーの車検基本料金と国産車ディーラーでの車検基本料金を比較してみたいと思います。
なお、比較対象は人気の大型SUV「キャデラックエスカレード」と日本を代表する「トヨタランドクルーザー」で、ともに法定費用と追加整備費用を除いた金額です。
トヨタディーラー車検基本料金(ランドクルーザー)
24ヶ月点検基本料金・・・¥24,994
継続検査料・・・¥10,800
手続き代行料・・・¥9,720
合計・・・\45,514
キャデラック・シボレーディーラー車検基本料金(エスカレード)
車検整備基本料・・・\62,640
保安確認検査料・・・¥13,500
手続き代行手数料・・・¥10,584
合計・・・¥86,724
エンジンを除き、ほぼ同車格の2台ですが、さすがに車検の基本料についてはかなりの差が出てしまいました。キャデラック・シボレーのディーラー車検には、国産車ディーラーのほぼ倍の車検費用が必要になるということです。
また、このような大型のSUVの場合重量税も乗用車より高く、18年超経過の場合は、乗用車2年の重量税額は75,600円にもなり、車検の際には注意が必要ですね。
車検総額は上記の店頭表示価格だけで済む?(答えはNo!)
※尚、上記の金額に加えて、必ず支払わなければならない法定費用(自賠責保険2年分、3万3千円程度、自動車重量税2年分、約20,000円~、印紙代等…通常は合計6~7万円前後)がプラスされることを忘れないでください。
※また、上記金額は劣化パーツ交換、消耗品交換などを全く行わなかった場合の金額ですので、実際の車検時にパーツ交換や消耗品交換があった際は、更にその分のパーツ代、消耗品代、工賃が上乗せされていきます(特に輸入車の場合、故障がなくとも、5万~10万円前後の交換費用は見込んでおくべきでしょう)。
GM系列(キャデラック、シボレー)のディーラー車検を安くする方法
GM系列(キャデラック、シボレー)のディーラー車検は国産車と比較してほぼ倍の値段が必要になることが先ほどわかりました。
キャデラックにしろシボレーにしろ、日本国内では登録台数が非常に少ない車両であるが故、その車検代金や整備代金は非常にコストがかさむ体質であることは否定できません。
ここでは具体的にキャデラック、シボレーのディーラー車検代金の総額を抑える方法を考えてみます。
1.車検見積りのパーツ交換や消耗品交換細目に注意。過剰整備を徹底的に省く
正直言いまして、キャデラックやシボレーに限らず、アメ車のパーツ代金や消耗品代金は本国からの輸送代や関税が災いをして設定売価が非常に高いです。
その上、メカニックの工賃が国産車ディーラーに比べるとやはり割高ですので、できるだけ今すぐ行わなくてもよい消耗品交換やパーツ交換に関しては削除、もしくは、別途ディーラー外の整備工場などで行うことを徹底すべきでしょう。
2.車検専門店からも見積りを取り、ディーラー車検の代金と総費用を比較する
高額の工賃を抑えるには、ディーラー車検にこだわりを捨てて車検専門店でも見積もりを取り、双方を比較することが基本でしょう。
そもそもキャデラックにしろシボレーにしろ、最近のハイスペック国産車や一部欧州車のような複雑な構造をしていない車両がほとんどですので、ディーラー車検にこだわる必要はあまりありません。
車検専門店でも十分に対応できるメーカー車両であるといえるでしょう。
車検専門店では多くの顧客が安さを求めて集まっていますので、店舗先に相談をすれば、もっともリーズナブル且つ適性に車検を通せる方法について、正しいアドバイスをしてくれますし、ディーラーよりも確実に車検総額を抑えることができます。
例えば、上記のような車検業者だと以下のような値段で車検費用を見積もることができます(ただし車検のみで車両整備や消耗品交換などは一切行わない価格です)。
シボレーの車検費用相場(車検専門店)
車種 | 分類 | 車検費用総額(A+B) | A車検基本費用 | B法定費用(自賠責+重量税等) |
---|---|---|---|---|
MW | 小型乗用車 | 62,210 | 18,880 | 43,330円 |
クルーズ | 小型乗用車 | 62,210 | 18,880 | 43,330円 |
HHR | 中型乗用車 | 70,860円 | 19,330円 | 51,530円 |
オプトラ | 中型乗用車 | 70,860円 | 19,330円 | 51,530円 |
ソニック | 中型乗用車 | 70,860円 | 19,330円 | 51,530円 |
カマロ | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
カマロ コンバーチブル | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
キャプティバ | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
コルベット | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
コルベット コンバーチブル | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
ブレイザー | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
※車検代のみ(車両整備、消耗品交換代等は含まず)
※あくまで目安であり地域差、店舗差が生じます
キャデラックの車検費用相場(車検専門店)
車種 | 分類 | 車検費用総額(A+B) | A車検基本費用 | B法定費用(自賠責+重量税等) |
---|---|---|---|---|
CTS | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
CTS クーペ | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
CTS スポーツワゴン | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
DTS | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
STS | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
XLR | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
エルドラド | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
コンコース | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
セビル | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
ドゥビル | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
※車検代のみ(車両整備、消耗品交換代等は含まず)
※あくまで目安であり地域差、店舗差が生じます
3.日本撤退で市場縮小影響を受けないよう、車検そのものを止め、今のうちに高額で車両を売却する
ご存じのようにGM車を始めアメリカの自動車メーカーによる日本市場撤退が相次いでいます。この影響は当然ですが自動車固有のマーケットバリューにも大きな影響を与えますので、どうしても今後ずっと今のキャデラック・シボレー車を維持し続けると誓っている方以外は、車検タイミングを機に早々に売却をして、新たな車両購入の軍資金にしてしまったほうが、火傷は小さいと考えられるでしょう。
アメ車に関してはまだ値段がつく今のうちに売却しておかないと、将来的には査定価格が全くつかなくなってしまう可能性も十分考えられます。
尚、ディーラーで新車購入時に下取りを出す方法もありますが、しっかり利益を残すならば、一括査定サイトを利用して、買取専門店複数の買取価格を同時に出させたうえで、最も高い店舗に車両を売るのが1番であることは、言うまでもありません。
尚、当方調査でアウディ高額買取が出やすい査定サイトは下記となっています。
高額査定1位:かんたん車査定ガイド
高額査定2位:Goo買取
高額査定3位:ズバット車買い取り比較
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日本におけるキャデラックとシボレーブランド
このページをご覧の方の中には、キャデラックエスカレードや、シボレーカマロなどに乗っている方も多いと思いますが、多くの日本人は、「キャデラックとシボレーってなに?アメ車ってことはなんとなくわかる」という方も少なくないはずです。
ここからはキャデラックとシボレーについて解説していきたいと思います。
キャデラックとは

2015 Cadillac ATS Coupe featuring the new Cadillac crest
アメリカゼネラルモーターズが展開する高級車ブランドです。
シボレーと並びゼネラルモーターズを自動車業界のビック3と言われる原動力となった主力ブランドで、アメリカの大統領専用車や、多数の国で王侯貴族や国の実力者の専用車に使用され、メルセデスベンツやロールスロイスといった世界を代表する高級車でした。
しかし、オイルショックやゼネラルモーターズの経営不振の影響により、販売台数は激減、ダウンサイジングやFF化などの刷新を図るも、ゼネラルモーターズは2009年に経営破たんしてしまいます。
その後2013年には国有化が解消し、新生ゼネラルモーターズとして再出発を果たし、その中でキャデラックは、高級ラグジュアリーなキャラクターは維持しつつも、スポーティーなデザインも取り入れ、また、エスカレードなどの大型SUVも好調で、キャデラックというブランドは再びゼネラルモーターズの主力ブランドとしてうっかつしたのです。
シボレーとは
キャデラックと同じくゼネラルモーターズが展開しているブランドで、オセアニア地域をほぼ全世界で展開され、その取り扱い車種は多く、ゼネラルモーターズの中では貴重なグローバルブランドです。
日本においては、大型SUVやピックアップトラック、カマロやコルベットといったスポーツカーに人気がありました。日本生まれのアニメトランスフォーマーの実写版映画のメインキャラクター「バンブルビー」が、カマロであったことは記憶に新しいと思います。
また、日本のメーカーともつながりが深く、かつてはスズキと戦略的業務提携を結んでおり、両者間で車種を共有し合う関係がありました。(一部の地域を除き2010年に関係は終了)
まとめ – ゼネラルモーターズのこれから
現在キャデラック、シボレーの生みの親、ゼネラルモーターズは、一度新生ゼネラルモーターズとしてふっかつしたものの、2014年にリコール隠しが発覚し、2015年に9億ドルの罰金を支払うことで司法当局と和解しましたが、世界中の“GMファン”の気体を裏切ったことは確かです。
キャデラック、シボレーカマロ、シボレーコルベットなど、車好きにはなじみ深く多くの根強いファンがいるブランドだけに、これからの再起に期待したいところですが、フォードやクライスラーなどの名だたるアメリカ自動車メーカーが日本市場の撤退を強いられる中、ひじょうに苦しい戦いが続きそうなことは、想像に難くありません。