BMWミニの車にお乗りの方で、これから車検をとお考えの場合、まず候補に上がるであろう依頼先として、購入した店舗か、お近くのBMWミニディーラーがあると思います。
ところで一般的にディーラー車検は高いというイメージが強いのは否めませんが、本当に高いだけなのでしょうか?このページでは、BMWミニディーラーでの車検の詳細と、実際の相場を見ていきたいと思います。
ディーラー車検は高いからはじめから候補にすら考えてない!という方にも、ぜひご一読いただき、必ず訪れる車検をより安心で、納得したものになるよう、ご参考にして頂ければ幸いです。
ミニディーラーの車検への取り組みと考え方
自動車メーカーにとって、販売した顧客だけではなく、公道を走るすべてのミニ車に対してのアフターサービスは、大切な業務の一つであり、数あるアフターサービスの中で、もっとも一般ユーザーの関心が高いのが車検です。
まずは、MINI JAPANの車検やアフターサーサービスへの考え方、取り組みを見ていきましょう。
MINI独自の入庫管理システム

引用:https://www.mini.jp
MINI正規ディーラーに車検や修理などで入庫すると、サービスカウンターにある“キーリーダー”に愛車のリモコンキーを差し込みます。すると、車体番号や走行距離、定期点検時期、オイル交換時期、ブレーキパッド交換時期など、その車のあらゆる情報を瞬時にパソコンに取り込みます。
もちろん、過去の修理の歴なども表示されるため、これから行う車検や、修理などの方向性が見えやすくなり、無駄な整備等を防ぐとともに、的確なアドバイスを受ける事が出来ます。
こういった顧客管理は、正規ディーラーならではの特徴であり、普段あまり車に興味がないユーザーにとっては、車を長く経済的に乗るための手助けになります。
あなたのMINIに合わせた車検

引用:https://www.mini.jp
車検とはご存知の通り、国が定めた最低限の安全基準に適合しているかを“確認”しているに過ぎず、車検に合格したからと言って、2年後に訪れる次の車検までの安全を担保するものではありません。
また、一口に車と言っても、車種により消耗しやすい箇所や、特異の故障事例などがありますし、ユーザーの走り方や使用環境により状態はさまざまです。
そこで、MINI正規ディーラーでは、メーカーが独自に定めた点検項目や、CBS(コンディション・ベスト・サービス)に基づき、その車に合った点検項目と、修理項目での見積や、作業となるため安心です。
■CBS(コンディション・ベスト・サービス)とは
走行距離や経過時間、車両の走行パターンなどに応じ、その車両に適切な点検時期と点検項目をお知らせする機能です。
MINI 専用診断機

引用:https://www.mini.jp
自動車が電子制御されるようになって40年以上が経ち、現行で新車販売されている車種はほぼ100%コンピューターによって制御されています。
“ミニ”と聞くと、イギリスのローバー社が製造していた、かわいらしくクラシカルな印象をお持ちかも知れませんが、BMWミニとなった現行のMINIは、エンジンやミッションはもちろん、ABSや、エアバック、エアコンなど、ほぼすべての機構にコンピューターが搭載され、そのすべてのコンピューターが相互通信を行いながら、きめ細かで、複雑な制御を行っています。
つまり、どんなに熟練の整備士の目を持ってしても、見抜けない故障が起こり得るのです。
そんな見抜けない電気的な故障を未然に防ぎ、また、的確で迅速な診断を行うためには、いわゆるスキャンツールと言われる“診断機”が必要となり、汎用の診断機も多く市販されていますが、制御の奥深くまでは入っていくことができないことがあるのです。
その点、MINI正規ディーラーには、最新の専用診断機が完備され、常にメーカーのサーバーとオンラインで繋がっているため、常に最新情報や最新の制御プログラムを使用する事が出来ます。
MINIを知り尽くしたスタッフ

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正規ディーラーですので、当たり前のことと言えば当たり前なのですが、MINI正規ディーラーには、BMW MINI専門の研修を受けた整備士や、店舗スタッフが在中しています。
上記でも触れているように、一口に車と言っても車種はもちろん、グレードが違うだけで、固有のクセがあり、壊れやすい箇所が偏ることも往々にしてあります。
また、箇所によっては故障に至る以前に、予兆などがある場合があり、その予兆はディーラー整備士が一番よく知っているため、通すだけで終わらせる車検ではなく、故障を未然に防ぐようなアドバイスを受ける事が出来ます。
MINI専用ツール

引用:https://www.mini.jp
自動車の整備作業には当然工具が必要なのですが、その車種、そのエンジンなど、ある作業を行うためだけの専用工具があります。一般の整備工場で万が一、専用工具が必要な作業が発生してしまうと、ディーラーに借りに行くか、改めて外注に出す必要が出てくるため、時間と費用が余計に掛かります。中には専用工具なしでもなんとか行える作業はありますが、専用工具が無いために余計に作業工程が増えたり、交換部品が増えてしまったりすることがあるのです。
当然MINI正規ディーラーには専用工具が揃えられているため、余計な時間や費用が掛かることが無く安心と言えるでしょう。
ミニディーラー車検基本料金
ミニディーラーの車検基本料金について触れていきます。
ミニは人気の小型ハッチバックですので、1.5t未満の国産ハッチバックである「トヨタオーリス」「マツダアクセラ」で、ミニディーラーの車検基本料金と国産車ディーラーでの車検基本料金を比較してみたいと思います。
なお、ともに法定費用と追加整備費用を除いた金額です。
トヨタディーラー車検基本料金(オーリス)
24ヶ月定期点検料・・・¥21,600
継続検査料・・・¥10,800
手続き代行料・・・¥8,640
合計・・・\41,040
マツダディーラー車検基本料金(アクセラ)
法定24ヶ月点検料・・・\22,567
保安基準検査料・・・¥9,160
車検申請代行料・・・¥8,640
合計・・・\40,367
ミニディーラー車検基本料金
法定2年点検・・・\27,300
総合検査料・・・¥11,550
車検代行手数料・・・¥11,550
合計・・・¥50,400
一般的に輸入車の車検は、国産車に比べて1.5倍割高と言われていますが、今回サンプルとして抽出したミニディーラーは、国産車ディーラーと比較して約1.2倍の違いとなりました。
BMWミニは、2001年の登場以降(日本での販売は2002年)、日本での人気も衰えることなく、特に女性や、あまり車に詳しくない方などから、その伝統的なスタイリングが、逆にポップで可愛らしいと支持され、輸入車の中ではVWビートルと並んで人気車種となり、通常のBMWディーラーと併設する形で構えられているBMWミニ専門の店舗も多く存在するところなどを見ると、その人気ぶりが伺えます。
人気があり販売台数が多くなれば、扱うディーラーの数も増え、部品の流通量も増えれば1台あたりのコストを抑えることができます。
そうなれば結果として、車検やアフターサービスの価格に反映されるようになるため、BMWミニのような人気車種の場合、車検基本料において国産車との差はあまり大きくならずに済んでいるとも言えるのです。
車検総額は上記の店頭表示価格だけで済む?(答えはNo!)
※尚、上記の金額に加えて、必ず支払わなければならない法定費用(自賠責保険2年分、3万3千円程度、自動車重量税2年分、約20,000円~、印紙代等…通常は合計6~7万円前後)がプラスされることを忘れないでください。
※また、上記金額は劣化パーツ交換、消耗品交換などを全く行わなかった場合の金額ですので、実際の車検時にパーツ交換や消耗品交換があった際は、更にその分のパーツ代、消耗品代、工賃が上乗せされていきます(特に輸入車の場合、故障がなくとも、5万~10万円前後の交換費用は見込んでおくべきでしょう)。
ミニディーラーで車検を受ける際の注意点
前項目では、国産車ディーラーとの車検基本料の差が、あまり大きくないとご説明しましたが、実際車検にかかる費用は、上記項目のほか、法定費用と追加整備費用があります。
法定費用は、国産車、輸入車問わず、車両の重量と年式により定められているため、依頼先により金額が変わることは有りませんが、車検を通すために必要になる整備や、依頼して行う整備項目は依頼先によって金額が違ってきます。
ぜひとも実施すべきミニの車検前整備項目
つまり、保安基準不適合箇所と言われる故障や不具合のこととなり、万が一そのような項目が指摘されてしまった場合は、交換や修理などを行わなければ車検を通すことができません。
よく指摘されることの多い項目は以下の通りです。
エンジンオイル漏れ対策
BMWミニに限らず輸入車に比較的多いトラブルがエンジンオイル漏れです。これはパッキンやシールと言われる部品を交換が必要となり、部品代の差は正規ディーラーと一般工場での差はあまりありません。
しかし、作業工賃については、一般の整備工場が1時間あたり6,480円程度なのに対し、ミニディーラーでは1時間10,800円であるため、大掛かりな作業になればなるほど、修理に価格費用の差額は大きくなってしまいます。
もしも内燃系のトラブルなどをかかえて、エンジンを車体から降ろして作業しなければならなくなってしまった…といった場合、その作業工賃の請求書はとんでもない額に跳ね上がってしまう可能性があるので注意です。
ブレーキパッド/ブレーキローターの消耗チェック
どんな車でも走行していれば摩耗し、交換が必要になるのがブレーキパッドですが、車検における保安基準では残りの厚さについての決まりはありません。
つまり、残りが0.1mmあり、効いてさえすれば車検は通ります。
しかし、残りが0.1mmでは、車検に関係なく交換が必要であるということは皆さん理解していただけると思います。
そのため、ディーラーには交換基準があり、通常3.0mm程度が交換基準とされています。
そして、BMWミニだけではなく、輸入車の大きな特徴として、ブレーキローターの交換があります。
国産車ではあまり意識する必要がない車種が多いですが、輸入車の場合、摩耗限界値もメーカーにより定められているため、ブレーキパッドを2回交換ごとに1回交換というのが通例です。
正規ディーラー以外の工場では、このブレーキローターの交換を怠ってしまう場合が稀にあるようですが、メーカーが定めている基準ですし、あまり摩耗が酷くなってくると、異音や振動の原因となるばかりか、最悪割れてしまう可能性もあり、パッド交換2回に1回はローターも交換と覚えておいていただきたいですね。
BMWミニのディーラー車検を安くする方法
BMWミニは国産車に近い車検値段の設定がされており、どちらかというとあまり大きく車検代金が跳ね上がるという事が(比較的)少ない輸入車であるといえます。
とはいえ、先にも触れたように、やはりというか輸入車ならではの独特なパーツ消耗(ブレーキパッド、ブレーキローター)やパッキン素材の強度不足によるオイル漏れといった固有の弱点がある上、ディーラーのメンテナンススタッフの工賃も国産メーカーより2倍近くかかります。
当然ですが、車検代金は安ければ安いほどよいですね。
具体的にミニの車検総額を抑える方法を記しておきましょう。
1.パーツ交換や消耗品交換の細目を事前にチェック。
ローバー時代からミニは「壊れやすい車種」として有名でした。
しかしメーカーがBMWになった2001年以降(日本では2002年以降)、ミニ固有の故障は劇的に減少しており、昔のように神経質なメンテナスが不要になりつつあります。
とはいえ、ブレーキ廻りのように車検上で重要視される個所以外、例えば通常のエンジンオイル交換を、ミニディーラーでは必ず純正のオイル交換にすすめてくるでしょう。

引用:https://cp.mini.jp
こういった「今すぐ交換することに疑問」「純正部品・消耗品でなくサードパーティーの製品で代替できないか」と感じた場合は、逐一ディーラースタッフにその必要性をしつこく問いただしておく方が良いといえます。
2.ディーラー車検でなく車検専門店からも見積りをとり、双方の価格を比較すること
車検専門店の技術が発達してきた近年、輸入車であるミニの車検も普通に受け入れてくれる車検専門店や、元々ミニディーラーに勤務していたメカニックが開業した「ミニに強い民間整備場」が相当な数存在しています。
もしディーラー車検の価格を「高額だな」と感じたようならば、こういった車検専門店や民間整備場からも車検費用の見積もりを取ってみることを是非お勧めいたします。
こういった車検専門店や民間整備場では、ディーラー顧客と異なり大抵の顧客が安い価格を求めてきているので、はっきりと「どうすれば安く車検ができるか」を直接相談することができます。
従って、ディーラーよりも確実に車検総額を抑えることができます。
例えば、上記のような車検業者だと以下のような値段で車検費用を見積もることができます(ただし車検のみで車両整備や消耗品交換などは一切行わない価格です)。
BMWミニの車検費用相場(車検専門店)
車種 | 分類 | 車検費用総額(A+B) | A車検基本費用 | B法定費用(自賠責+重量税等) |
---|---|---|---|---|
クラブマン | 中型乗用車 | 70,860円 | 19,330円 | 51,530円 |
クロスオーバー | 中型乗用車 | 70,860円 | 19,330円 | 51,530円 |
クーペ | 中型乗用車 | 70,860円 | 19,330円 | 51,530円 |
コンバーチブル | 中型乗用車 | 70,860円 | 19,330円 | 51,530円 |
3.お金がかかる車検そのものを止め、車検があるうちに高額で車両を売って次の車両購入の軍資金にする。
日本は他の国々と異なり、ガチガチにお上から規制という形で車検を強要されているのは誰もが知るところです。実際、なんだかんだ言っても車検費用は個人の財布には大きな負担を与えるものですから、車検が好きという人は相当稀有といえます。
そこで多くのミニオーナーは、新車なら3年毎、中古車なら2年毎の車検タイミングで車両を一旦売却して、その時点で次に買いたいクルマの軍資金にあてることを習慣としています。
車検代金は本当に無駄だから、別の車(もしくは新しいミニ!)に買い替えることで、車検代金も節約できて、尚且つ、車両が最も高い車検ありの時点で売却することができるので、2重で得をするという訳です。
尚、ディーラーで新車購入時に下取りを出す方法もありますが、しっかり利益を残すならば、一括査定サイトを利用して、買取専門店複数の買取価格を同時に出させたうえで、最も高い店舗に車両を売るのが1番であることは、言うまでもありません。
尚、当方調査でアウディ高額買取が出やすい査定サイトは下記となっています。
高額査定1位:かんたん車査定ガイド
高額査定2位:Goo買取
高額査定3位:ズバット車買い取り比較
関連 ミニをどこより高く売るための、たった1つの方法と戦略とは?
まとめ – BMWミニのディーラー車検は輸入車にしては高額にならない。ただし売却予定なら車検があるうちに。
以上のように、BMWミニの車検代金は割と国産車より(国産価格の1.2~1.3倍程)であり、ベンツや本家BMWと比較すると、比較的リーズナブルな範囲に抑えられているといえます。
ただし、サービススタッフの工賃が1万円超え(1時間)となっており、国産ディーラーの倍近いため、仮にエンジンを下すような大掛かりなメンテナスが必要になってしまった場合、その車検代金は唸るほど跳ね上がる可能性があります。
もしもあなたが「この先ずっと今のミニに乗り続けるんだ」という方ならば、仮に大掛かりなメンテナスをしてでもきっちりとディーラーで車検を受けるほうが良いでしょう。
そうではなく「そのうちに売却を考えている」ならば、売却時期を車検が残っているタイミングに前倒しすることで、高額の査定で車両を売ることができますので、こういった手法も1度考えてみてはよいでしょう。