車検を通すつもりが、急遽買換えることになった、または、予定していた業者よりも安い業者を見つけたなど、一度は車検の予約をしたものの、キャンセルしなければならないこともあるでしょう。
しかし、そこで皆さんが心配になるのは、一旦お願いした車検予約を取りやめると、キャンセル料が発生してしまうのではないか?ということだと思います。
そこで今回の記事では、車検の予約をキャンセルした場合のキャンセル料について詳しく解説し、損をしないためのポイントなどをご紹介していきたいと思います。
車検予約のキャンセルは費用が発生するの?
結論から言うと、大半の業者は車検の予約をキャンセルしても、キャンセル料がかかることはほとんどありませんが、キャンセルポリシーを事前に要確認です。
特に全国規模でチェーン展開している車検専門店やガソリンスタンド、カー用品店などで、は、原則無料としているところがほとんどです。
ただし、車検業者も商売ですので、なんでもかんでも無料というわけではなく、日取りや、見積もり作業の進み具合などによって無料ではない場合があることは覚えておきましょう。
また、実際に掛かるキャンセル料は、ホテルや旅館のように、「当日キャンセルは宿泊代金の100%」というような厳しいものではなく、多くの業者では、一律でキャンセル料を設定していることが多いようです。
もちろんキャンセルをしないに越したことはありませんが、もしかしたらキャンセルするかもしれない場合は、事前にキャンセルポリシーを確認しておくことをオススメします。
キャンセル料が発生するケースとしないケース
車検予約のキャンセルが無料なのか、それともキャンセル料が発生してしまうのかの違いは、業者側で経費が掛かっているかどうかということです。
車検は、性質上いきなり当日に受けることができるオイル交換などとは違い、ユーザー側はもちろん、業者側にもそれなりの準備が必要で、予約をすると1つの枠を抑えることになります。
また、車検や整備作業は、整備士や検査員といった特別な資格を持った人間が作業するため、気持ちの上では無料にしたくとも、無料では行えないこともあるのです。
ではここから、キャンセル料が発生するケースと、キャンセル料が発生しないケースについて具体的に見ていきましょう。
キャンセル料が発生する可能性ありのケース
1.分解を伴う見積を行っている
車検でかかる費用を事前に知るため、見積もりは欠かせない作業ですが、やはり確実な車検金額を知るためには、ブレーキなどをしっかり分解して点検する必要があります。
このブレーキを分解するという作業が、法律上の「分解整備」に該当するため、基本的に無料で行うことはなく、「点検料」もしくは「分解整備料」というような料金がかかるのです。
業者によって対応は異なりますが、分解を伴う見積もり作業を行ってキャンセルする場合には、5,000円~10,000円程度の点検料金が発生します。
また、見積を一旦持ち帰るという場合には、一旦点検料を支払い、実際の車検ではその点検料分を差し引いた料金を支払うというのが一般的です。
2.当日キャンセル
全ての業者が当日キャンセルを有料にしているわけではありませんが、業者によってはキャンセル料が発生する場合があります。
傾向としては、自社で検査ラインを持っている指定工場でよりも、陸運支局の検査ラインに車を持ち込んで検査する必要のある認証工場でキャンセル料が発生することが多いようです。
陸運支局の検査ラインというのは、1日に4ラウンドあり、そのラウンドごとに検査できる台数が決まっているため、認証工場は事前に予約を行い、検査の枠を押さえています。
よって、当日にキャンセルしてしまうと、当然検査ラインもキャンセルしなくてはなりません。
あまりに当日キャンセルや無断キャンセルが続くと、その工場がペナルティを受けることになり、予約枠を制限されてしまったり、最悪の場合一定期間予約ができなくなってしまうことがあるのです。
一方、指定工場の場合はと言うと、自社工場とは言え、予約分の枠を確保しているため、予約が無くなってしまえばその時間が無駄になり、結果的に業者側にとってはマイナスになってしまいます。
このように、認証工場でも指定工場でも、当日キャンセルは業者側に不利益になってしまうため、キャンセル料が発生することがあるのは仕方のないことと言えるでしょう。
キャンセル料が発生しないケース
1.無料見積もりの段階である
点検料がかかってしまう分解を伴うような見積もりではなく、分解を行わないいわゆる「無料見積もり」の場合は、当然点検料やキャンセル料が発生することはありません。
ただし、無料見積もりはブレーキ回りを分解しないのはもちろん、工場によっては車をリフトアップすらしないこともあるため、無料で出される見積もりはあくまでも「概算見積もり」です。
したがって、実際の車検にかかる費用と大きく違ってくる可能性があることは覚悟しておかなくてはなりません。
新車で購入して1回目(3年目)や2回目(5年目)の車検で、尚且つ走行距離が短い場合には特に心配する必要はありませんが、5万キロ以上走行している場合や、3回目(7年目)以降の車検の際は、分解を伴う見積もりを行った方が確実です。
2.予約3日前までのキャンセル
これは業者によって違いがあるため、3日~5日前までというのを1つの基準にしておくと良いでしょう。
ただし、皆さんが良く目にする車検業者は、ディーラーも含めキャンセル料という考え方は無く、基本的には無料としていることがほとんどです。
先述したように、最初からキャンセル料について、有料の規定があるか、原則無料と謳っているかによって、その企業の規模を推し量る基準の一つにもなります。
もちろん、キャンセル料の規定を設けているから、規模が小さくダメな業者ということにはなりません。
キャンセルすることで損をしないかよく考える
車検を通すことなく売却する、または知人に譲るなどの理由で車検の予約をキャンセルすることは仕方のないことですが、「もっと安い車検の依頼先を見つけた」といった場合には、少々注意が必要です。
ここからは、車検費用を抑えることが目的で予約をキャンセルする場合、損をしないためのポイントをご紹介していきます。
見積もり内容の精査
どの業者も顧客を1人でも多く獲得するため、さまざまなサービスを提供すると同時に、ユーザーの目を引き付けるお得な金額を広告などに提示しています。
しかし、業者ごとに掲載内容が違うのはもちろん、最安値の料金が適用さえれるためにはさまざまな条件も満たす必要があるのです。
また、上記でも触れているように、車検の見積もりというのは、見積もりの段階でブレーキまで分解し点検した場合は、ほぼ実際の車検費用との差はありません。
しかし、車検証などの書類のみでの見積もりや、リフトアップをしない簡易な点検だけで出された概算見積もりでは、実際に掛かる費用と大きくかけ離れた金額になってしまう恐れがあります。
つまり、キャンセルしようと考えている車検見積もりの内容と、お得に感じている車検見積もりの内容が、同レベルの見積もり作業を行っているかということを見分けなければなりません。
とは言っても、一般の方が見積もりを見るだけで判断することは難しいと思いますので、それぞれの業者から出された見積もりを並べて、項目数の違いや、項目ごとの金額を注意深く見比べることが大切です。
総額だけに捉われない
提示された見積もりの総額だけを見て、単純に安いからという理由だけで依頼先を変更してしまうと、かえって損をしてしまう可能性があり注意が必要です。
車検で検査される項目には、明確な基準が数値化されているものと、検査員の見た目に委ねられるものがあります。
数値化されている内容は、基本的にどこで車検を受けても差はありませんが、検査員の見た目で判断される項目は、どうしても工場ごとに差が出てしまうのです。
もちろん車検に通らないと判断される項目が少なければ車検費用を安くすることができます。
ですが、あまり安さだけに捉われてしまうと、本来行うべき整備をせずに車検を終わらせてしまい、車検後に症状が悪化して余計な費用が掛かってしまうかもしれません。
車検で損をしないためには、ただ見積もりの総額だけではなく、その工場がどれだけ丁寧に見積もりや提案をし、ユーザーの質問や要望に対して、真摯に応えてくれるかなども総合的に判断することが大切です。
車検キャンセルに絡む無用なトラブルを避けるために必要なこととは?
車検費用を抑えるためや、やむにやまれぬ事情によりキャンセルする場合であっても、キャンセル費用が掛かってしまったり、工場側とトラブルになってしまっては、余計な手間がかかり、元も子もなくなってしまいます。
そうならないために必要なことは、キャンセルしなくてはならないとわかった時点でできるだけ早く連絡することです。
また、最近では、店舗などでの直接依頼のほか、一括比較サイトなどを経由して予約されている方も多くいらっしゃると思います。
予約先によってキャンセル方法に違いがあり、また、業者によってはキャンセル料について明記している業者もありますので、予めキャンセルポリシーを確認しておくことをオススメします。
