車検を受ける、車を売却するなど、車検証が必要になる場面は必ずあります。
ところが、いざ車検証を探したけれど、入っているはずの場所にない、または、破れてボロボロになってしまっているなど、そのままでは車検を受けることすらできず、困っている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、車検証の再発行の仕方や、必要書類、費用などについて詳しく解説いていきます。
よくある、車検証の紛失パターン
まずは、どんな時に車検証の再発行が必要になるのかについてですが、車検証は公道を走行する際に必ず携行することが義務付けられているため、通常グローブボックスやダッシュボードなどに入っていると思います。
しかし、いざ車検証が必要になったときに、入っていると思っていた車検証が無い、もしくは車ごと盗難被害に遭ってしまったなど、何かしらの理由で無くなってしまうということも十分に考えられます。
紛失や汚損
車検証を紛失または、汚損(破いてしまったり汚してしまい、認識できない状態)してしまう最も多いケースは、車検を受けた直後です。
車検を受ける方法は、自分で陸運支局の検査ラインを使って車検を取得する、いわゆるユーザー車検と、ディーラーや整備工場、ガソリンスタンドなどに依頼する車検があり、中でも車検証を無くしてしまいやすいのが、ディーラーや車検専門店などの「指定工場」で車検を受けた場合です。
指定工場で車検を受けると、新しい車検証の代わりに「保安基準適合標章」が発行され、新しい車検証は後日郵送などで別途送付されてくることが一般的です。
ほとんどの方は、車が手元に帰ってくると安心してしまう方が多く、中には、後日送付された車検証の存在に気が付かない、または、気が付いても、ついそのまま放置してしまう方が見受けられます。
その結果、古新聞と一緒に処分してしまったり、食卓の隅に置きっぱなしにして汚してしまったりという可能性があるのです。
車検証はその車にとって、もっとも重要な書類の1つですので、新しい車検証を受け取ったら、その場ですぐ所定の場所に収納するようにしましょう。
盗難被害
こればっかりは不可抗力という面が否めませんが、車両ごと盗難されてしまってはどうしようもありません。
車両盗難は車検証ごと無くなってしまうのはもちろん、大切にしていた車が盗まれてしまうという精神的ダメージが大きく、絶対被害に遭いたくはありません。
しかし、年々減少傾向にあるとは言え、2016年の自動車盗難の発生件数(認知件数)は、11,655件あり、これを1日あたりに換算すると、全国で1日32台の車が盗難されているということになりますので、決して少ない数字とは言えません。
盗難防止装置や、盗難防止グッズなどを活用するとともに、貴重品を車内に置いたままにしない、スペアーキーをバンパーのウラに隠すようなことはしないなど、盗難に遭わないよう、十分に注意する必要があります。
車検証はどんな時に再発行が必要か?
車検証の再発行が必要になるときとは、車検証の記述内容を変更するときということになり、具体的には、継続検査(車検)、名義変更(売却を含む)、廃車が一般的ですが、そのほかにも、所有権解除や、任意保険の契約などの場合にも、車検証の原本が必要になります。
稀に、上記でお話しした盗難を意識するあまり、車内に車検証の原本を入れておかず、コピーを入れている方が見受けられますが、車検証は法律で定められた公文書であり、法律上原本の携行が義務付けられています。
それほど、車にとっては大切な書類ですので、厳重に管理し、保管しておく必要があります。
具体的な車検証再発行のやり方
それでは、ここから車検証の再発行のやり方について解説していきたいと思います。
再発行のやり方は、大きく分けて、自分で行う場合と、業者などに委託する場合の2つが挙げられ、業者にお願いする場合は、車を購入した販売店や、いつも車検やオイル交換などで利用しているお店にお願いすることになるでしょう。
しかし、ガソリンスタンドやカー用品店などでは、日々の業務内容に含まれておらず、断られてしまうか、割高な手数料を請求されてしまう可能性があります。
そのため、ディーラーなどの購入店舗か、整備工場などにお願いすると良いでしょう。
そして、自分で再発行を行いたい場合は、車検証に記載された住所を管轄する、各陸運支局または陸運事務所、軽自動車であれば軽自動車検査協会に出向いて手続きを行い、書類等に不備が無ければ、その場で新しい車検証を受け取ることができます。
車検証の再発行に必要な書類
車検証の再発行にはさまざまな書類が必要になりますので、下記よりご案内していきます。
業者に委託する場合
整備工場などの業者に委託する場合に、ユーザーが用意しなくてはならない書類は以下の通りです。
業者ではなく、知人などにお願いする場合も、代理人の身分証明書なども必要になります。
車検証
返納しなければならないのは、汚損したものが残っている場合のみで、紛失や盗難などで手元に車検証が無い場合は不要です。
使用者の委任状
使用者の記名および押印があるものが必要で、業者側で用意してくれることがほとんどです。
理由書
使用者の記名および押印のあるものが必要になりますが、車検証の紛失や盗難により返納できない場合必要になります。
自分で行う場合
業者に委託せず、自分で再発行手続きを行う場合に必要な書類は以下の通りです。
車検証
業者に委託する時と同様に汚損したものが残っている場合のみで、紛失や盗難などで手元に車検証が無い場合は不要です。
理由書
業者に委託する場合と同様に、紛失や盗難により返納できない場合に必要になりますが、使用者本人が申請を行う場合は、下記にある申請書に理由を書くことになりますので、省略することができます。
申請者の身分証明書
運転免許証、健康保険証、パスポートのいずれかが必要です。
手数料納付書
再発行にかかる手数料を支払うために購入した印紙を貼付けるために利用します。書類は当日窓口で貰うことができます。
申請書
新しい車検証を発行するために記入するOCRシートのことで、正式には第3号様式と言われています。
当日窓口で入手し、記入台に掲示してある記入例を見ながら記入を行い、コンピューターが読み取る部分は鉛筆で、それ以外の氏名や住所などは黒のボールペンを使用し記入します。
車検証の再発行にかかる費用
ここからは、業者に委託した場合と、自分で申請に行った場合、それぞれで再発行にかかる費用についてご案内していきます。
業者に委託する場合の費用
通常、業者に委託した場合は、下記でも述べている陸運事務所などに支払う基本的な手数料のほか、業者に対しても「代行手数料」を支払う必要があります。
もともとのサービスメニューとして価格を提示しているところはほとんどありませんが、業者に支払う代行手数料は、平均的に4~5,000円程度と言われています。
また、昔から馴染にしている整備工場などがある場合は、何かのついでに申請を行ってもらうことで、無料(国に払う手数料は別)や、格安でやってくれることもあり、逆に、普段陸運事務所などにほとんど行くことが無い業者の場合は、1万円以上の手数料を請求される場合もあります。
このように、それぞれの業者により対応が異なり、特に代行手数料に関しては規定があるわけでもありませんので、依頼する業者に直接お問い合わせください。
自分で行う場合の費用
業者に委託せず、自分で再発行手続きを行った際にかかる費用は、登録印紙代300円、申請用紙(OCR)50円の計350円です。
この金額だけ見れば、業者に依頼することはせず、自分で再発行を行った方がお得であることは明らかですが、陸運事務所や軽自動車検査協会のある場所は、あまり交通の便が良いところにはありません。
また、初めてで不安という方は、車検や名義変更(売却)など、車検証が必要になることが分かった時点で、車検証が紛失していないかを確認し、再発行が必要な場合には時間に余裕を持って行動しましょう。
車検証不携帯での運転に罰則はある?
先述した通り、法律上、公道を走る車両には、必ず車検証を携行することが義務付けられており、当然コピーも不可です。
また、違反した場合には、50万円以下の罰金となっており、違反点数は引かれませんが、多額の罰金を支払わなければなりません。
しかし、車検証の無い状態で、検問などで止められたり、事故を起こしてしまったりなど、警察に車検証の提示を求められた場合、ほとんどが口頭での厳重注意で終わることが多いとされていますので、過度に心配する必要はありません。
ですが、法律上は立派な違反行為ですし、悪質と判断されれば高額な罰金が科せられないとも限りません。
したがって、車検証が無いとわかった時点で早めに対処しておくことをオススメします。