これは車検に限ったことではなく、様々な場面において言えることですが、相見積を取ることが購入や支払いに大きな影響を与えることがあります。
複数の店舗を回るため手間や時間がかかりますが、それでも相応の見返りが見込めるのが相見積のいいところです。
このページでは、車検の相見積を取る際のポイントや、注意点など紹介していきたいと思います。
相見積を取る際のポイント
まずは、実際に複数の見積を取る時のポイントから紹介していきましょう。
あらかじめ近場で目星をつける
相見積は、あくまで金額的にお得なところを探すため手段であるため、あまり闇雲にあちこち回ることはオススメしません。
移動距離が多ければ燃料代がかかりますし、時間ばかりかけても、あまりお得にはなりません。
効率よく回るためには、あらかじめご自宅や職場の近所、車通勤の方は通勤経路上に、どんな車検業者があるかを調べておくとよいでしょう。
いつも立ち寄るガソリンスタンド、街中の看板、新聞の折り込み広告、また、最近はインターネットもかなり普及しているため、自宅に居ながら簡単に車検業者を探すことができるため便利です。
このようにして、いくつか店の目星をつけていきましょう。
ディーラーで見積もりを出して基準を明確にする
今回受けようとしている車検が初めての方や、あまり車に詳しくない方にとっては、自分の車の車検にいくらくらい掛かるのが普通なのかもわからないはずです。
また、何度か車検を経験している方でも、車検で交換や修理が必要と言われた箇所の交換工賃は、いくらが適正なのか分かりません。
このように車検の基準がわかりにくいことを逆手に取り、過剰な見積や大げさな説明で、ユーザーに余計な金額を請求している業者が存在しています。
そこで必要になるのが、自分の車の車検や、諸々の整備は一体いくらくらいが標準なのかを知ることです。
ではどうやって標準的な金額を知るかというと、100%信頼できる行きつけの整備工場でも良いですが、理想的なのはやはり乗っているメーカーのディーラーです。
正規ディーラーがなぜオススメかというと、メーカーが発行している「整備書を」必ず揃えてあり、どんな整備内容に対しても、決められた作業工賃を割出すことができますし、ディーラーにしか知り得ない注意点などの情報を得ることもできます。
見積金額とその内容に納得できればディーラーにお願いしてしまうのが有益ですが、例えそのディーラーで受けなくとも、ディーラーに発行してもらった見積は、その後の見積を判断する上で明確な基準となるわけです。
同じ業種は避ける
相見積を取る際の基準となるディーラーを候補に入れたら、次は回る件数です。
あまり多すぎても無駄になってしまいますし、少なすぎてもあまり意味がありません。私が思う理想の件数は3~4件(ディーラー含む)です。
その際に、もう一つ大切なポイントとなってくるのは、同じ業種は極力避けるということ。
どの業種、ほとんどの業者が、1台でも多く車検をやってもらうため、料金についてはできる限りの努力をしてくることでしょう。
そうなると、同業種間ではあまり大きな金額差は期待できませんし、その業者で受ける特典などにも差が出づらく、結局は迷う原因となってしまいかねません。
そこで、事前に多くの車検業者を調べ、自宅や職場から近いなどの利便性を考慮し、ディーラー、ガソリンスタンド、車検専門店など複数の業者を回ることで、見積金額の違いはもちろん、目に見える金額以外の特徴やメリットなどが明確になります。
その上で、予算や今回の車検に内を求めているのかなど、自分の理想と照らし合わせることが重要です。
理想の見積を出してもらう方法
とにかく安く車検を終わらせたい、安全と安心を最優先にしたいなど、車検に求めることは人によって様々です。
しかし、安心や安全のためとは言え、いくらかかっても構わないというわけにはいきませんし、どんなに安く終えられたとしても、整備内容や品質に不安があるようでは安心して乗ることができず、それこそ車検の意味が全くありません。
大切なことは前項目でも示したように、できるだけ自分の理想に近い車検を受けることです。
そのためには、どうしたら良いのか。理想の見積もりを出してもらう方法について紹介していきます。
相手の得意分野を探す
車検を依頼できる業者には様々な業種がありますが、各業種には、それぞれ得意な分野と苦手な分野が存在します。
そして車検金額には値引きの限界があるため、金額的なサービスが限界と感じたら、金額以外のサービスやおまけをつけてくれるわけです。
その業種や、お店の得意分野に関係するサービスやおまけをつけてもらうことも、車検をお得にできるポイントになります。
ここでは、簡単に各業者の得意な点とおまけについて紹介していきましょう。
ディーラー
得意・・・何と言ってもどこにも負けない車検のクオリティーや専門的な安心感
おまけ・・・純正指定オイルのサービス、一般には販売されないノベルティグッズなど
車検専門店
得意・・・とにかく安さと早さ
おまけ・・・格安のサービスオイルなど

カー用品店
得意・・・車検専門店顔負けのスピード
おまけ・・・会員カードのポイントなど

ガソリンスタンド
得意・・・価格と手軽さ
おまけ・・・サービス洗車のグレードアップ、割引券など

民間車検場
得意・・・ときにディーラー以上の高い技術力
おまけ・・・洗車

上記に挙げたのは、ほんの一例です。
車検に出すタイミングや、それぞれの店舗によって違いはありますので、場合によっては予想以上のものを貰えることもあります。
少し趣旨が外れますが、そうしたものを判断の基準とするのも一興です。
違いを明確に示す
それぞれの業種によって得意・不得意があることは理解して頂けたと思いますが、率直にそこの店舗(業者)では何が最もウリなのかを聞いてしまうのも有効な手段と言えます。
ユーザーからお金をもらって車検という商品を販売している以上、必ず自信を持って「ここが自分たちのウリだ」とアピールするポイントがあるはずです。
逆に「いや~、特には」と言ってしまうような業者はオススメできません。
品質、価格、スピードなど業者により得手・不得手がある中で、「この部分に関しては、たとえ同業種でも負けない」という自信がなければ、ユーザーの納得する車検を提供することは不可能だからです。
次に、すでに見積を持っている場合は、他社との違いを良く見比べることです。
同じような項目であれば金額の違いを、車検に合格するために必要な整備項目、オススメ項目などに違いはないかなど、照らし合わせることが重要になります。
また、諸費用、基本的な項目、追加整備項目、推奨項目などの各項目が、ぐちゃぐちゃに入り混じっているような場合はオススメできません。
それも複数の見積を見比べると判断しやすくなりますので、しっかり見比べてみてください。
相見積の取り方・注意点
相見積を取る際は、できるだけ多くの店舗を効率よく回り、中身のある見積を貰うことが大切です。
そのための注意点や、オススメの方法をご紹介しましょう。
意外な注意点
いい見積を取るためには、自分の手の内を見せないことが大切です。
具体的には、2件目以降で見積を依頼する際、他の業者の見積を見せてはいけません。
ハッキリ言って、きちんと整備ができるほとんどの業者は他の業者の見積は全く相手にしておらず、整備士や検査員は自分の責任において点検し、見積を作成し、作業を行います。
そのため、他人の出した見積に左右されることなく、必ずフラットな状態で点検するよう教育されているからです。
また、まだわずかに存在する悪徳業者にあたってしまった場合には、実際の車両状態など関係なく、他業者のよりいかに有利な見積を出すかの材料にされてしまいます。
もし交渉材料にしたい場合は、ザックリと総額だけ伝えるようにすることがオススメです。
車検比較サイトを上手に活用
冒頭でも触れているように、実際に回る業者をある程度事前に決めておくことが余計な手間をかけず、お得な見積を取るポイントです。
車検比較サイトには、住所で検索したり、地図上に車検を実施している業者を表示させたりできるため、自宅や職場の近くはもちろん、通勤経路近くで探すなどという場合には大変便利です。
また、サイト上である程度金額や、その業者も確認できますので有効に活用してみてください。
