車検費用を安くできる究極の方法として知られるユーザー車検。
そんな究極の方法に、今度こそ挑戦しようと思っている方も多いのではないでしょうか?
けれど、万が一不合格になってしまったら、余計に手間と費用が掛かるのが心配になって、なかなか勇気が出ない方も多いはずです。
実際、車検には保安基準という法律によって決められた基準がある以上、何をやっても合格しないことも珍しくありません。
しかし事前にしっかり準備をし、車検に落ちてしまう恐れがある項目をあらかじめ把握しておけば、余計な費用や時間をかけないようにすることができます。
このページでは、ワイパーやウインドウォッシャーに関する項目に焦点を当て、特に指摘されやすいポイントや、指摘された際の対象方法を紹介していきます。

ユーザー車検で検査される内容
ユーザー車検は、どのような項目であっても、必ず項目ごとに検査する内容が決まっているため、事前に確認する内容を絞っておくことが大切です。
また、ワイパーやウインドウォッシャーは、特別な機器や工具がなくとも誰でも点検できる項目ですので、事前に愛車のワイパーやウインドウォッシャーを点検しておくことをオススメします。
では、実際のユーザー車検では、ワイパー・ウインドウォッシャーのどういう点が検査されるのかを見ていきましょう。
ワイパー・ウインドウォッシャーの検査内容
まず、ワイパー・ウインドウォッシャーの検査が行われるタイミングは、検査ラインに入る前、外観検査後に、検査官に車内を検査されるのと同時に行われます。
順番としては、フロント周りの灯火類のチェックのタイミングで、検査官が手でワイパーのジェスチャーをしますので、ウォッシャー液を噴射し、ワイパーを作動させます。
それではここから、ユーザー車検の検査で、メーター廻りや操作系についてどのような点が指摘されやすいのかを見ていきましょう。
検査官が確認するポイント
まず、ワイパーやウインドウォッシャーが何のために自動車に必要かを考えてみましょう。
答えは簡単、前方の視界確保のためです。
つまり、車検ではしっかりとワイパーとウォッシャーが作動し、フロントガラスを掃除できているかどうかが検査されるということを覚えておきましょう。
典型的な指摘ポイント
それではここから、特に指摘されやすいポイントと、指摘されてしまった際の対処方法をご紹介していきましょう。
ワイパーゴムの切れや劣化
ワイパーは、断面が三角形のゴム部分でフロントガラスの水や汚れを掃きます。
そのため肝心のゴムが切れていたり、劣化して大きく変形していたりすると、満足に水を除去することができません。
ワイパーを作動させた際、フロントガラスに拭き残しが著しくある場合は視界不良と判断されますが、どの程度を視界不良とみなすかについては担当の検査官の主観に頼らざるを得ない部分ですので、なかなか線を引くことは難しい内容です。
ただし、ワイパーゴムが切れて、垂れ下がっているような場合は確実に車検に通りません。
切れている場合は、近くのガソリンスタンドやカー用品店などでも購入でき、ご自分でも交換できる内容ですので、その日のうちに対処することは可能でしょう。
ワイパーブレード、ワイパーアームの変形
どんな車種のワイパーであっても必ずワイパーアームが存在しており、バネの力でフロントガラスにワイパーを押し付けています。
また、ワイパーゴムが取り付けてある、通称ワイパーブレードの骨組みの形にも理由があり、ワイパーアームの圧着力を均一にゴムへ伝える構造になっています。
そのため凍り付いたワイパーを無理に動かしたり、イタズラされてしまったりすることで変形してしまうと、ワイパーアームの力がうまく伝わりません。
これが、拭き残しなどの原因になります。
1度変形してしまったワイパーアームやワイパーブレードは、人間の手で戻そうとしても元通りにできないことも珍しくありません。
手で戻そうとしても無理であれば部品交換が必要になりますので、ディーラーなどの整備工場にお願いしましょう。
ウインドウォッシャーの作動不良
ウインドウォッシャーが正常に噴射されなければ車検に合格することはできませんが、ウインドウォッシャーが正常に噴射されない原因は、大きく分けて2つ考えられます。
まず1つ目が、ウォッシャーモーターの作動不良でモーター自体が固着して動いていないか、電源配線の不具合などが原因で電源が来ていないかです。
もう1つは、ウォッシャー配管や噴射口の詰まりが考えられます。
特にウォッシャー液を濃い状態で使い続けていたり、撥水剤などが入っているウォッシャー液を使っていたりする場合には、詰まりが発生しやすいです。
モーターの不良か詰まりかを判別する方法は、エンジンを切り(イグニッションはON)ウォッシャーを作動させてみて、モーターの作動音がするかしないかで判別できます。
どちらの場合もその場での対処は難しいため、ディーラーなどの整備工場に相談しましょう。
ウインドウォッシャーの噴射角度
皆さんは、ウインドウォッシャーの噴射角度が調整できることをご存知でしょうか?
車検では、ウォッシャー液がきちんとフロントガラスに当たっているかチェックされます。
万が一に噴射角度不良を指摘されてしまった場合、安全ピンなどの細い針を使えば簡単に角度を調整することが可能です。
しかし、あまり強い力をかけてしまうと噴射口が変形してしまったり、最悪の場合には破損してしまったりする可能性がありますので、調整する際はあまり力を加えず、優しく行いましょう。
検査されるのはフロントワイパーのみ
梅雨時期になるとガソリンスタンドなどでは、ワイパーキャンペーンなどを行っている時があり、このタイミングになると「リヤワイパーのゴムに切れがあり、車検に通りませんが、交換いかがですか?」と声をかけられることも多いかと思います。
しかし車検において、フロント以外のワイパーは合否に全く関係ありません。
もちろん切れていて良いことは何一つありませんので無駄ではありませんが、車検には関係がないため、不要な場合は丁重にお断りしておきましょう。
切れたままのワイパーは危険
ワイパーゴムが切れたままという状態というのは、車検に関係のないリヤワイパーを含め、あまり放置しておくのはオススメできません。
特にリヤワイパーに注意
フロントワイパーは普段からよく使われていると思いますが、リヤワイパーについては、ほとんど動かしたことがないという方も珍しくありません。
ワイパーゴムなどのゴム製品というのは、たとえ使っていなくとも徐々に劣化して硬化していき、最終的には切れてしまうのですが、切れかけてヒビが入っているワイパーゴムには細かい砂などが溜まりやすく、いざ動かした際にガラスを傷つけてしまう恐れがあります。
そのため、使っていなくとも定期的な交換や、こまめな清掃を心がけましょう。
サイズの合わないワイパーに注意
ワイパーブレードにガタなどがない場合は、ブレードごとの交換ではなく、ワイパーゴムのみを交換したほうが部品代を安くできるため、カー用品店などでワイパーゴムだけを購入して交換された経験のある方がいらっしゃると思います。
ただし、もしも自分で交換をしようと思っている方がいるのであれば、必ずサイズ(長さ)と形を適合表などで確認し、車にあったワイパーゴムを使用するようにしてください。
ワイパーゴムにはゴムのほかに、薄い板状のバネを一緒にブレードに固定していますので、サイズや形が合わなければ板バネが飛び出し、最悪フロントガラスを大きく傷つけることもあり、それこそ車検の際に指摘されてしまう可能性が出てきてしまいます。
フロントガラスに深い傷がついてしまうと磨きなどでは補修できず、交換する必要が出てくるため大きな出費となってしまいますので、ワイパーゴムのみを交換する際は十分に注意してください。

まとめ
ワイパーやウインドウォッシャーは誰でも簡単に点検することができる項目ですので、万が一にも検査官に指摘されてしまうようなことがあるのは、非常にもったいないです。
そのため日頃から注意して点検しておき、可能であれば1年に1回程度はワイパーの交換をしておきましょう。
また、最近は輸入車や高級車を中心に、車種専用のワイパーなども存在しており、カー用品店などで取り扱っていない車種もありますので、ワイパーの水はけが悪いなど気になった方は、ディーラーや整備工場などに前もって相談しておくのがオススメです。