レクサスの車にお乗りの方で、これから車検をとお考えの場合、まず候補に上がるであろう依頼先として、購入した店舗か、お近くのレクサスディーラーがあると思います。
ディーラーは高いというイメージが強いのは否めませんが、本当に高いだけなのでしょうか?
このページでは、レクサス系列ディーラーでの車検の詳細と、実際の相場を見ていきたいと思います。
ディーラーは高いからはじめから候補にすら考えてない!という方にも、ぜひご一読いただき、必ず訪れる車検をより安心で、納得したものになるよう、ご参考にして頂ければ幸いです。
レクサスディーラーでの車検
自動車メーカーにとって、販売した顧客だけではなく、公道を走るすべてのレクサス車に対してのアフターサービスは、大切な業務の一つであり、数あるアフターサービスの中で、もっとも一般ユーザーの関心が高いのが車検です。
レクサスディーラーは、その地域のトヨタディーラーが運営しているため、基本的にはトヨタディーラーと同じですが、そこはトヨタの高級ブランドであるレクサスですので、レクサス特有の特徴があります。
ここからは、レクサスの車検やアフターサービスへの考え方、取り組みを見ていきましょう。

ディーラーならではの安心感+α
これはディーラー車検を選ぶ1番の理由ですが、レクサスはディーラー本来の安心感だけでなく、オーナーであることの満足感を十分に体感できます。
レクサスのディーラーは高級ホテルと見紛うばかりのショールームや専用ラウンジが用意されており、教育の行き届いたスタッフより最高のおもてなしを受けることができるのです。
また、実際の車検や点検整備を行う整備士たちは、各トヨタディーラーから選抜された優秀な人材が多く配属され、工場の設備も白を基調とした清潔感にあふれた美しい工場になっています。
一見すると「白を基調とした美しい整備工場と、整備技術は関係ないのでは?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、そんなことはありません。
確かに、ただ白く綺麗なだけでは実際の整備技術に直結しませんが、元整備士として言わせていただくと、「白を基調とした工場を綺麗なまま維持できていること」または、「綺麗なまま維持しなければならない環境」、この2点に大きな意味があります。
私に整備士のイロハを叩き込んでくれた師匠は、「整理整頓ができない奴、工具が汚い奴、掃除ができない奴に腕の良い整備士はいない」と言っていました。
それから15年以上にわたり整備士を経験しましたが、その言葉が真実であったことに私は気付きました。
つまり高級ホテル並みに豪華で綺麗なショールームも、白を基調にした整備工場も、その環境をずっと維持していることにこそ真の意味があるということです。
レクサスはこうした大切なことができていますので、高品質な整備や車検などのアフターサービスを提供していることがわかります。
よって、普通のディーラーよりも安心して車検に出すことができるわけです。
レクサス専用テスター
今や自動車の制御はコンピューターの時代であるため、エンジンやトランスミッションなどの制御はもちろん、自動ブレーキやエアバックなどの安全装置、エアコンやカーナビなどの快適装備に至るまで、すべてコンピューターが制御しています。
近年のレクサスも同様で、多くの電子部品と、それを制御する複数のコンピューターが組み込まれているのです。
こうしたコンピューターは、エンジンのコンピューターはエンジンのみ、ABSのコンピューターはABSのみという制御ではなく、すべてのコンピューターが相互に通信することによって、複雑な制御を行っています。
そのため、故障診断では目に見えない深い部分までの診断が必要になり、何気ない整備一つ取っても専用の診断機による設定が必要となるなど、専用診断機の出番は多くなる一方です。
レクサスディーラーの整備工場では、当然のことながら専用診断機を備えており、迅速かつ正確な点検整備作業を行うことができるのです。
専用研修施設
先述しましたが、レクサスディーラーに勤務する整備士は各販社から選抜された、所謂エリート集団です。
しかしレクサスディーラーで勤務するすべてのスタッフは、静岡県にある「富士レクサスカレッジ」という専用施設にて必ず研修を受けます。
それこそ、ホテルマン並みの行き届いた接客はもちろん、レクサス車の最新技術を学び、レクサスブランドが顧客に提供する価値をしっかりと理解し、そのうえで自ら考えて行動するようになることが重視されるのです。
こうした積み重ねが実際の店舗で生かされ、お客さまへの満足度向上に繋がっていきます。
安心のメーカー保証
一般的な国産車は3年60,000kmの一般保証と、5年100,000kmの特別保証が新車販売時に付帯されますが、レクサスは一般保証と特別保証の区別がありません。
そのためタイヤ、バッテリー、消耗品、油脂類を除くすべての部品に対して、5年100,000kmの新車保証が付いているのです。
ただし、レクサスディーラーにて新車購入した方はもちろん、保証が残っている中古車を購入した方に注意しなくてはならない点があります。
それは、レクサスの新車保証は、原則レクサスディーラー以外で車検を行うと、その時点で新車保証が効かなくなってしまうという点です。
これはレクサスに限ったことではありませんが、他の国産車ディーラーではディーラー以外で車検を行っても、あくまで各ディーラー判断の特例として保証を有効にしてくれることがあります。
しかし私の経験上、レクサスでは厳格な対応がとられていることがほとんどです。
そのため余程のことがない限りは、ディーラー以外で車検を受けないことをオススメします。
レクサスディーラー車検基本料金
ここからはレクサスディーラーの車検基本料金について見ていきたいと思います。
24ヶ月点検基本料金・・・¥21,600
継続検査料・・・¥10,800
手続き代行料・・・¥10,800
合計・・・\43,200
24ヶ月点検基本料金・・・¥30,000
測定検査料・・・¥8,925
車検代行手数料・・・¥8,400
合計・・・\47,325
同地域の同じ販社ですので、価格はほぼ同額という結果になりました。
このように見てみると、「レクサスだから車検も高い!」という印象はありませんが、実は上記価格はあくまで基本中の基本である料金を比較したに過ぎません。
そのため実際のレクサスディーラーのパンフレットには、「車検基本料金59,020円 法定費用61,740円 整備費用52,068円~ 合計172,828円~」と書いてあります。
つまり法定費用を引くと、111,088円~という金額が、車検の基本料金として設定されているのです。
対してトヨタディーラーには、上記に記載した内容が法定費用を除いた車検の基本料金となっています。
そのためレクサスディーラーでは、各作業工賃などの単価はトヨタディーラーと同様ですが、永続的にレクサスとしての高い品質を維持、提供するためのスタートラインが高く設定されているということです。
レクサスの車検費用を安くする方法
現代の最先端を走る車両であるレクサスの機能を発揮させるため、他の国産車と比較すると、車検やメンテナス費用に大変な高額のお金がかかることがわかりました。
ただ、あなたの他のレクサスオーナーの中にも、口には出さずとも、実はこの高額な車検代金を何とか安く抑えることができないか?と考えている人はかなり多くいます。
ここでは具体的にレクサスの車検費用を安く抑える方法についてご説明いたします。
1.余計な推奨パーツ交換、Gリンク、メンテナスプログラム…車検の見積り細目にはきっちり目を通す。
レクサスに限らず、ハイエンドの自動車ディーラーにて車検をお願いすると、基本的な整備点検だけでなく、様々な交換推奨パーツ、メンテナンスプログラム代金、Gリンク等の他付随サービスなどがデフォルトで車検見積りに載せられてきます。
当然、これらの交換推奨パーツなどの中には、車体維持のために必ず必要なものが全くないとも言い切れませんが、実態はこれらの多くが「何も今交換しなくてもよいもの」「特に追加で発注する必要性がないもの」で占められています。
ところが、レクサス程の高級車を所有するオーナーの心理としては、車検ごときの細かいことをディーラーにクドクド抗弁すること自体を「恥ずかしい」と感じるものであり、ディーラー側には「パーツ交換も含めて、お勧めをプロに全てお任せいたしますよ」と見栄を張りがちです。まずはこういった見栄や外聞を全て取っ払ってしまうのがベターです。
消耗品交換の項目をよくみてみれば、オイル、フィルタ、スパークプラグのように必ずしも純正パーツでなくてもよいもの、故障個所ですら、リビルド品などのパーツ持込みやサードメーカーパーツで代替できるものをかなりの数見つけることができます。
確かに、高級車ディーラー店頭では、車検見積りの細々した項目一つ一つにチェックをいれるタイプのユーザーは圧倒的少数派です。
したがって、ディーラーとの交渉は心理的にも非常に辛いものになりがちですが、正規ディーラーで安く車検を通すための通過儀礼と思って耐え抜くしかありません。
ディーラーサイドはそういった顧客の心理を十分に研究していますので、レクサス高級ブランドマジックを後光に、「他の方はみなこの価格でやっていますよ」とプレッシャーをかけてきますが、決して負けてはいけません。
2.ディーラー車検に拘らずに車検専門店を選択肢に入れて双方を冷静に比較する
思考法のチェンジです。
レクサスのように高級車を所有しているからと言って、必ずしもディーラー車検でなければならないという理由はありませんし、そんな見栄は捨てましょうと先にお話しました。
となると、ディーラー以外の車検、車検専門店や民間整備工場での車検見積りを1度は出してもらうことで、冷静な目でディーラー車検との価格比較ができるようになるはずです。
当然ですが車検専門店ならばディーラーのように店頭で無駄な見栄を張る必要は全くありませんし、技術的にも十分車検を通すだけの対応力を持つ店舗は山ほどあります。
そして何より価格が安いのは言うまでもありません。
ただし、ディーラーのように至れり尽くせりの予防保全的整備は行いませんので、この辺りまで必要と感じている方は、たとえ高額でもレクサスディーラーで素直に車検を受けたほうが良いでしょう。
例えば、上記のような車検業者だとこのような値段で車検費用を見積もることができます(ただし車検のみで車両整備や消耗品交換などは一切行わない価格です)。
レクサスの車検費用相場(車検専門店)
車種 | 分類 | 車検費用総額(A+B) | A車検基本費用 | B法定費用(自賠責+重量税等) |
---|---|---|---|---|
CT | 中型乗用車 | 70,860円 | 19,330円 | 51,530円 |
LFA | 中型乗用車 | 70,860円 | 19,330円 | 51,530円 |
GS | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
GSハイブリッド | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
HS | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
IS | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
IS F | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
IS コンバーチブル | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
LS | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
RX | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
SC | 大型乗用車 | 79,680円 | 19,950円 | 59,730円 |
※車検代のみ(車両整備、消耗品交換代等は含まず)
※あくまで目安であり地域差、店舗差が生じます
3.お金がかかる車検そのものを止め、まだ車検が残っている「高額買取可能な時期」のうちに車両を売却。次の車両購入の軍資金にする。
レクサスオーナーの多くは車検時期を車両買換えのベストタイミングとして、新車なら3年ごと、中古車なら2年ごとに新しい車に乗り換えるケースが多いのは言うまでもありません。
車の買取代金は車検期間が過ぎてしまうと査定額が安くなってしまうので、買取価格が一定以上高いうちに販売してしまうほうが、高額査定に繋がります。
もし今の車両を10年以上乗り続けるという決心がある方でないならば、今回の車検を契機に売却そのものの時期を早めたほうが、結果的に無駄で高額なレクサスディーラー車検費用を支払わない分得をすることになります。
尚、ディーラーで新車購入時に下取りを出す方法もありますが、しっかり利益を残すならば、一括査定サイトを利用して、買取専門店複数の買取価格を同時に出させたうえで、最も高い店舗に車両を売るのが1番であることは、言うまでもありません。
尚、当方調査でレクサス高額買取が出やすい査定サイトは下記となっています。
高額査定1位:Goo買取
高額査定2位:かんたん車査定ガイド
高額査定3位:ズバット車買い取り比較
そもそもブランドとしての「レクサス」とは?
既に日本では高級自動車メーカーとして広く認知されているレクサスですが、その成り立ちについて詳しく知っている方は多くありません。
よってここからは、そもそもレクサスとは何なのか、またなぜレクサスは高いのかについて見ていきたいと思います。
世界に向けた挑戦
レクサスは世界60か国以上で展開されているトヨタの高級ブランドで、北米においては日産のインフィニティ、ホンダのアキュラと共に、1980年代後半より展開されているブランドです。
もともとは海外、特にアメリカ市場において成功者の証として大きく威厳があり、時に威圧的とも取れるデザインが高級車の代名詞でした。
しかし燃費は悪い上に壊れやすいことや、若年層には古臭いとされていることなどを受けて、それまで不可能とされていた世界の高級車市場への参入を果たします。
結果としては、日本車らしい高い信頼性や組付け精度、欧州の伝統的な高級車をも凌駕する静粛性が見事に受け入れられ、大衆車メーカーによる高級車市場参入の成功例とされました。
日本での販売は当初予定しておらず、あくまでトヨタブランドとしてセルシオ(LS)アリスト(GS)ウインダム(ES)という名前で販売されていた程度です。
その後、2005年から日本での正式展開が開始され現在に至ります。

レクサスはなぜ高い?
物の価値や価格は、いったい何を基準に捉えるのかによって変わってきますが、レクサスと聞いて多くの方が「高級車」、「トヨタ車なのにただ高い」という印象をお持ちなのではないでしょうか。
実際、そうしたイメージを抱いてしまう理由を挙げればキリがありませんが、オーナーの高い満足感が関与しているのは間違いありません。
新車保守がすべて5年100,000kmであることをはじめとした手厚いアフターケアや、コンシェルジュサービスや豪華なラウンジ、時にはクラシックコンサートの無料招待など、VIP待遇とも言える扱いが、そうしたイメージを掻き立てると言っても過言ではないです。
他にも整備士としての見地から違いをあげるとすれば、レクサスの車は明らかに製造コストがかかっていることが見て取れます。
例えば塗装をする時、通常ならば車の塗装は何層か重ね塗りされているものなのですが、レクサスはその層が、1層~2層多くなっているのです。
そうすることにより見た目の美しさはもちろん、塗装の耐久性も上がりますが、当然のように費用があります。
こうした他の車とは一線を画した装備や仕上げなどが、より一層の高級感を引き立てているのです。
まとめ – レクサスのディーラー車検は高額だが安心。ただし10年乗り続ける場合以外は車検タイミングでの売却もあり。
レクサス車の販売価格は高く、それは車検においても同じことが言えます。
しかしそれは一般のトヨタ車や他のメーカーの車とを、明確に区別するための差額であることは間違いありません。
もちろん無理をしてレクサスディーラーで受けなくとも、最近ではレクサスディーラー以外の工場でもレクサス車の車検を受けてくれるようになりました。
しかし、高額になる車検費用は相応の付加価値と、安心感があることを十分理解してもらい、いろいろな車検依頼先と比較してみるのも、安心納得の車検を受けるための有効な手段と言えます。
先にご説明した1.「ディーラー車検の整備交換内容をきちんとチェックする」2.「ディーラーにこだわらず、車検専門店への依頼を考えてみる」3.「車検をやめ、高く売れるうちに買取りに出す」という3つの方法を是非、考えてみてください。