自動車を所有していれば、必ず避けては通ることができないもの。それが車検です。
国が定めた安全基準、正確には保安基準に適合しているかを一定の期間を設けて確認することであり、自動車を使用する上で最低限の安全を確認すること。
必要であることは誰しもが認識していることですが、その出費は決して無視できません。
かと言って、費用が抑えられるユーザー車検では不安が残ります。
こうした問題を前にした時に、多くの人が委託先の候補として考えるのが「車検専門店」ではないでしょうか。
ここでは代表的な車検専門店である「車検のコバック」の特徴などをご紹介していきたいと思います。


車検のコバック

引用:http://www.kobac.co.jp/
今では多くの業者が存在する車検専門チェーンですが、業界の雄とも言える「車検のコバック」の取り組みや、特徴などをご紹介します。
運営企業情報
名称 株式会社コバック
所在地 愛知県豊田市
店舗数 488店舗(2016年時点)
グループ運営方式 フランチャイズ
車検システムの元祖
ディーラーでもない民間車検場でもない車検専門店という新しいジャンルを、日本で初めて形にした、言わば元祖とされるのが車検のコバックです。
車検のコバックのルーツは「小林モータース」という町工場で、それまでの自動車整備工場の形態での限界を感じていた創業者が、車検に特化した「車検センター新豊田」をオープンしました。
その後「車検のコバック」に車名を変更し、外食産業系のシステムを車検に流用し徹底的にシステム化するとともに、全国から見学に集まる整備工場の経営者達の成功を手助けすことを目的にチェーン化を行ったのです。
その結果、全国でほぼ均一な価格とサービスを安定して提供されるようになったため、ユーザーにもわかりやすく、低価格で安心した車検を受けられるようになりました。
最大のポイントは取扱数量と指定工場
車検のコバックが車検を安くできる理由として挙げているのが、全国平均の約3倍の車検を取り扱うこと、大量生産により安い車検を提供できるとしています。
さらに加盟店すべてが指定工場であり「指定整備工場チェーン」であることも、車検の質を落とさず低価格の車検を提供できる最大のポイントといえます。
指定工場とは
指定工場とは、本来は国(陸運支局)が行う検査業務を、国に代わって実施することができる国の指定を受けた整備工場のことです。
指定工場となるためには条件があります。
2級以上の整備士や自動車検査員に必要人数が定められているだけでなく、検査ラインなどの施設面はもちろん、認定台数、合格率、所定の損益など多くの項目をクリアしなくてはならないため、指定工場取得には高いハードルがあると言わざるを得ません。
事実ディーラーの整備工場でさえ、すべての工場が指定工場とはなっていないのが現状です。
選べる車検メニュー
車検のコバックには選べる3種類の車検メニューが用意されているため、走行距離や車の経年数などにより選択することができます。
1.スーパークイック(作業目安30分~)
車検に必要な、法定点検(56項目)、完成検査、諸手続きのみ
2.スーパーテクノ(作業目安60分~)
車検に必要な「ヘッドライト光軸調整」や「ブレーキの調整」がセット、オイル交換などのユーザーが要望した軽整備に対応
3.スーパーセーフティー(作業目安1日)
通常よりも多い100項目の点検や、様々な整備にも対応している一番人気の車検メニュー
※車の状態により保安基準に適合していない箇所の整備が発生した場合や、修理内容車種によっては希望のメニューおよび目安時間では対応ができないことがあります。
10年間保証修理
コバックで車検を受け、その時に部品を交換した箇所について、取り付けの不具合が発生した場合10年間の保証修理が受けられます。
整備や修理にこれほど長い保証をつけるのは整備業界では異例ですが、その長い保証を付けている考え方には「1台の車に20年50万km乗る」というコバックからの提唱があります。
現代の日本では、常に新しい車に乗っていることが格好いい、ステータスだという風潮がありますが、自動車先進国であるヨーロッパでは1台の車に長く乗ることが、ごく当たり前のことなのです。
1台の車に長く乗る人と、すぐに買い替えてしまう人では、カ-ライフコストに大きな金額差が生まれますし、環境問題が叫ばれている現代においては大切な考え方になります。
もちろん、同じ車に長く乗り続ける過程では必ず故障しますが、日頃のメンテナンスなどの点検整備をしっかり行うことで、大きな出費を抑えることができる可能性が高くなるのです。
20年50万Kmを提唱し、整備保証としては異例の10年保証を提供できるということは、安いだけではない質の高い整備を行っている証拠になります。
車検大学校で学んだスペシャリスト集団
数ある車検専門店が誕生するきっかけを作ったコバックですが、そのポイントは徹底したシステムのマニュアル化にあります。
アルバイトを含めたすべての従業員に対し、業務やレベルに合わせたマニュアルを作成し、高品質の車検を提供してくれるのです。
そしてコバックには愛知県知事認定「車検大学校」があり、熟練した講師の指導を受け、高度な知識と技術を持ったプロが育てられています。
車検のコバックの車検基本料金

コバック鴻巣店(引用:https://page.line.me/kobac_kounosu)
車検のコバックは一般的なディーラーと比較してどの程度金額差があるのか、具体例をもとに見ていきましょう。
※例:小型自動車(~1.0t未満、ヴィッツやフィットなど)で、同県内での比較です。
国産ディーラーA 車検基本料金
24ヶ月点検基本料金・・・¥17,280
継続検査料・・・¥10,800
手続き代行料・・・¥9,720
合計・・・\37,800
国産ディーラーB 車検基本料金
24ヶ月点検整備・・・¥30,240
保安確認検査料・・・¥6,480
検査代行手数料・・・¥2,160
合計・・・\38,880
車検基本料総額(法定費用除く、割引なし)・・・¥4,743
車検基本料総額(法定費用除く、割引なし)・・・\15,820
車検基本料総額(法定費用除く、割引なし)・・・\ 28,162
ディーラーがそれぞれほぼ同額ですが、車検のコバックの安さは一目瞭然です。
車検のコバックA店ではさらに、スーパーテクノには最大で3,240円、スーパーセーフティーには最大で7,560円の割引メニューが用意されています。
そのため最大割引が適用された場合の料金は、スーパーテクノでは12,580円、スーパーセーフティーでは20,602円となるため、ディーラーとの価格差はさらに大きくなります。
わかりやすくコバックの車検費用一覧を表にしてみましょう。
コバック車検費用一覧
車種 | 車検コース | 車検費用総額(A+B) | A車検基本費用 | B法定費用(自賠責+重量税等) |
---|---|---|---|---|
軽自動車 | スーパークイック | 42,770円 | 9,500円 | 32,770円 |
軽自動車 | スーパーテクノ | 47,540円 | 14,770円 | 32,770円 |
軽自動車 | スーパーセーフティー | 57,106円 | 24,336円 | 32,770円 |
小型乗用車 | スーパークイック | 52,830円 | 9,500円 | 43,330円 |
小型乗用車 | スーパーテクノ | 59,150円 | 15,820円 | 43,330円 |
小型乗用車 | スーパーセーフティー | 69,435円 | 26,105円 | 43,330円 |
中型乗用車 | スーパークイック | 61,030円 | 9,500円 | 51,530円 |
中型乗用車 | スーパーテクノ | 67,761円 | 16,231円 | 51,530円 |
中型乗用車 | スーパーセーフティー | 78,046円 | 26,516円 | 51,530円 |
大型乗用車 | スーパーセーフティー | 69,230円 | 9,500円 | 59,730円 |
大型乗用車 | スーパーセーフティー | 77,298円 | 17,568円 | 59,730円 |
大型乗用車 | スーパーセーフティー | 87,687円 | 27,957円 | 59,730円 |
※割引適用前の価格です
更に参考までに、各自動車メーカー別によるディーラー車検価格(消耗品交換など一切ない基本車検価格のみ)の一覧表を掲載しておきます。車種による価格差が出てきますが、コバックの車検価格と見比べてみて、その安さを実感してみてください。
正規ディーラーによる車検費用一覧
ディーラー(エリア) | 分類(車種) | 車検費用総額(A+B) | A車検基本費用 | B法定費用(自賠責+重量税等) |
---|---|---|---|---|
トヨタ(千葉) | 中型乗用車(アクア) | 90,564円 | 39,034円 | 51,530円 |
レクサス(東京) | 中型乗用車(IS) | 162,618円 | 111,088円 | 51,530円 |
スバル(東京) | 中型乗用車(インプレッサ) | 94,838円 | 43,308円 | 51,530円 |
日産(鹿児島) | 中型乗用車(セレナ) | 92,030円 | 40,500円 | 51,530円 |
マツダ(九州) | 中型乗用車(デミオ) | 93,974円 | 42,444円 | 51,530円 |
光岡自動車(東京) | 中型乗用車(ビュート) | 107,798円 | 56,268円 | 51,530円 |
三菱自動車(関東) | 小型乗用車(コルト) | 83,290円 | 39,960円 | 43,330円 |
スズキ(近畿) | 小型乗用車(ワゴンR) | 82,534円 | 39,204円 | 43,330円 |
ホンダ(横浜) | 小型乗用車(フィット) | 84,802円 | 41,472円 | 43,330円 |
ダイハツ(千葉) | 軽自動車(タント) | 69,490円 | 36,720円 | 32,770円 |
アウディ(東京) | 中型乗用車(A1) | 118,490円 | 66,960円 | 51,530円 |
アルピナ(東京) | 中型乗用車(D5 Turbo) | 141,980円 | 90,450円 | 51,530円 |
BMW(東京) | 中型乗用車(335i) | 109,116円 | 57,586円 | 51,530円 |
アルファロメオ(東京) | 中型乗用車(ジュリエッタ) | 112,010円 | 60,480円 | 51,530円 |
シトロエン(東京) | 中型乗用車(DS3) | 103,046円 | 51,516円 | 51,530円 |
フォード(マツダ系) | 中型乗用車(フォーカス) | 116,330円 | 64,800円 | 51,530円 |
プジョー(東京) | 中型乗用車(208) | 115,552円 | 64,022円 | 51,530円 |
ポルシェ(北大阪) | 中型乗用車(ケイマン) | 156,074円 | 104,544円 | 51,530円 |
ルノー(東京) | 中型乗用車(カングー) | 112,334円 | 60,804円 | 51,530円 |
ロータス(東京) | 中型乗用車(エリーゼ) | 12,810円 | 71,280円 | 51,530円 |
AMG(東京) | 大型乗用車(AMG C63) | 134,466円 | 74,736円 | 59,730円 |
クライスラー(東京) | 大型乗用車(300) | 134,466円 | 74,736円 | 59,730円 |
アストンマーティン(東京) | 大型乗用車(V8ヴァンテージ) | 222,780円 | 163,050円 | 59,730円 |
ジャガー(東京) | 大型乗用車(XJ) | 127,530円 | 67,800円 | 59,730円 |
フェラーリ(東京) | 大型乗用車(458イタリア) | 195,630円 | 135,900円 | 59,730円 |
フォルクスワーゲン(東京) | 大型乗用車(ティグアン) | 110,706円 | 50,976円 | 59,730円 |
ボルボ(東京) | 大型乗用車(S60) | 128,094円 | 68,364円 | 59,730円 |
マセラティ(東京) | 大型乗用車(ギブリ) | 178,530円 | 118,800円 | 59,730円 |
メルセデスベンツ(ヤナセ宇都宮) | 大型乗用車(E280) | 108,030円 | 48,300円 | 59,730円 |
ランドローバー(東京) | 大型乗用車(レンジローバー) | 142,890円 | 83,160円 | 59,730円 |
ランボルギーニ(東京) | 大型乗用車(ウラカン) | 191,530円 | 131,800円 | 59,730円 |
アバルト(東京) | 小型乗用車(595) | 123,250円 | 79,920円 | 43,330円 |
フィアット(東京) | 小型乗用車(500) | 107,590円 | 64,260円 | 43,330円 |
スマート(東京) | 小型乗用車(K) | 90,010円 | 46,680円 | 43,330円 |
※法定費用は車両タイプ等で金額差がでてきます。
※各種保証や割引制度を勘案しない価格です。
車検のコバックはなぜ安い?

コバック熊本とみあい店(引用:https://www.facebook.com/kobac.official/)
車検のコバックをはじめとした車検専門チェーンを選ぶ大きな魅力は、何といっても料金の安さです。
けれどそうなると、「安かろう悪かろう」ではないと、どうしても不安になってしまいます。
しかし車検のコバックでの格安車検が本当に「安かろう悪かろう」では、ここまで業界をリードする企業にはなっていません。
では、品質を維持したまま、格安料金にできる秘密とは何なのか見ていきましょう。
車検検査項目における無駄な工程をなくす
車検に関わる項目や業務は非常に多くの工程が必要であり、最小人数で車検を行った場合、1時間以内で車検を終了させることは現実的に不可能です。
つまり、その分1台にかかる人件費も多くなるということであり、車検のコバックが無駄をなくすために取り組んだ方法として、整備士の分業制があります。
車検のコバックでは、数多くある車検項目を分担しローテーション化することで効率化を図りました。
これにより多くの車検をこなせるだけでなく、各担当者は各分野に特化した作業を繰り返し行うため、技術の習得が早くできるという利点もあり、人件費削減による低価格と、早い車検を可能にしているのです。
ユーザーによる「引き取り納車」でコスト削減策
具体的なコスト削減の方法として挙げられているのが、「引き取り納車」です。
自宅や職場まで車を引き取りに行き、車検が終わったら納車をしに行く場合、少なくとも延べ4人の人員が回送に必要となり、そのコストは当然価格に反映されてしまいます。
もちろん忙しい人にとって引き取り納車は、お金を払ってでもお願いしたいサービスですが、必要のない人にとってはその分だけ安くしたいのが本音です。
そこで車検のコバックでは引き取り納車のサービスを廃止し、ユーザー自ら来店してもらうことでコストをカットし、価格に反映しています。
車検作業を大量仕入れすることによるスケールメリット
コバックのチェーン店は、現在全国に488店舗(2016年12月)のネットワークがあります。
そのため多店舗一括大量仕入れによるスケールメリットや、例えばエンジンオイルの自社ブランド化などをすることにより仕入れ価格を下げているため、そのぶん低価格で車検を提供できるのです。
まとめ – 低価格重視ならばコバックは良い選択肢の1つ

コバック草加谷塚店(引用:http://www.ensen-ado.com/)
車検のコバックは全国に数多くフランチャイズしており、どこに行っても見つけることができる、利便性の高い車検専門店チェーンと言えます。
特に車検価格を重要視する場合は、愛車を預ける候補先企業の1つとしてピックアップすべき店舗の1つです。
是非、他の車検会社とじっくり比較検討の上、コバックが自分に合っていると思った場合には申し込みを行ってみてはいかがでしょうか?