イタリア最大の自動車会社 フィアット

By: SloopRiggedSkiff
フィアットの歴史
フィアット(FIAT S.p.A.)は、イタリアのトリノを拠点とするイタリア最大の企業グループです。現在は持ち株会社のフィアット・クライスラー(Fiat Chrysler Automobiles)の一部門です。
社名のFIATは「Fabbrica Italiana Automobili Torino(トリノのイタリア自動車製造所)」の頭文字を取ったものです。
子会社にはマセラティ、アルファ ロメオ、ランチア、アバルト、マニエッティ・マレリといった有名どころの自動車ブランドが名を連ねています。
フィアットは、1899年にジョヴァンニ・アニェッリら数人の実業家の出資によって、トリノに設立されました。
初期には、フォーミュラーレースにも参戦していて、アルファ ロメオやブガッティなどと競い合っていました。そして1950年代には「8V」という高級GTカーも製造していたほどです。
先進的な設計を行い、次々と実用化、量産化することに熱心な会社でした。
第二次世界大戦後にジョヴァンニ・アニェッリの孫のジャンニ・アニェッリが経営を引き継いでから、ランチア、フェラーリ、アルファ ロメオ、マセラティ、アウトビアンキ、アバルトなど、イタリア国内の自動車メーカーなどを次々と傘下に収めていきました。
現在、フィアット本体は、主に小型の大衆車を生産しています。
そして傘下のメーカーそれぞれがスポーツカーや高級車を担っています。
1970年代には、石油ショックや労働争議などで4年間もの間、新車が発表できないほど経営が不安定な時期がありました。しかし、リビアの元首であるカダフィ大佐からの融資を受け入れ、1980年初めに発売した斬新な設計の小型車「パンダ」と「ウーノ」がヒットしたおかげで、何とか窮地を脱しました。フェラーリを完全子会社化したのも、この時期です。
1990年代には、「ブント」がヨーロッパで大ヒットしましたが、80年代ほどの勢いはなく、再び低迷してしまいます。
しかし、2000年代になって、傘下のフェラーリやマセラティの経営を立て直したルカ・コルデーロ・ディ・モンテゼーモロ会長とセルジオ・マルキオンネCEOのもとで、経営の建て直しをはじめました。
その一つの事業として、過去のロゴマークを復活させ、それをアパレルなどに展開し、世界的に大ヒットさせました。
また、2005年には、相次いで3つの新型車を発表しています。まず、ワゴン風の5ドアボディの「クロマ」を発表しました。
続いて、プントの第3世代「グランデプント」を発表しました。
このクルマは実際に全長が4mを超える大型車で、フィアットのこのモデルに懸ける意気込みはすさまじく、同モデルは2006年1月のヨーロッパ市場で販売台数1位になるなど、フィアット建て直しのシンボルとなりました。
さらに2005年の終わりにはスズキとの共同開発による小型クロスオーバーSUV「セディチ」を発表しました。
これらのクルマはいずれもジョルジェット・ジウジアーロと協力でデザインされたモデルです。
その後も積極的な新車攻勢を続けることによって、見事に復活を果たしました。
日本でのフィアット

引用:http://www.fiat-auto.co.jp/limited/500s/?ref=slider
フィアットは、第二次世界大戦前から日本への輸入が行われていたようですが、1980年代にジヤクス・カーセールス、チェッカーモータース、サミットモータースの大手3社によって全国展開がされるようになりました。
1990年にフィアットグループオートモービルズは、日本法人「アルファ ロメオジャパン株式会社」を設立し、アルファ ロメオを販売するディーラー網である「アレーゼ」の整備を開始しました。
同年11月には「アレーゼ」でフィアットブランドのクルマも取扱いを開始し、社名を「フィアットアンドアルファ ロメオモータスジャパン」へと改称しました。
さらに、1997年の「フィアットオートジャパン株式会社」への改称を経て、2007年8月より「フィアットグループオートモービルズジャパン株式会社」として、フィアット、アルファ ロメオおよびアバルト・ブランド車の輸入・販売を行うことになりました。
2015年1月から「フィアットグループオートモービルズジャパン」と「クライスラー日本」が合併し、社名を「FCAジャパン株式会社」(FCA Japan Ltd.、略称:FCAJ)に変更しています。
フィアット傘下のフェラーリとマセラティに関しては、それぞれ独自の日本法人を立ち上げています。
2015年の日本におけるフィアットの新車販売台数は、6,502台で、売上げ順位は11位です。シェアは約1.99%でした。
これは、前年より331台も販売台数を伸ばしていて、シェアも0.09ポイントと微増ですが増えています(日本自動車輸入組合)。
また、外国メーカー車モデル別トップ20を見るとフィアットのクルマは、18位に500/500C(4,370台)がランクインしています。
フィアットの現行モデルラインナップ

引用:http://www.fiat-auto.co.jp/limited/
現在日本で販売されているフィアットのモデルラインナップは、500、500X、500C、パンダです。
500(チンクェチェント)は、2008年から販売されている3ドア ハッチバックです。エンジンにはガソリン直列2気筒 0.9リットルと直列4気筒 1.2、1.4リットルの3種類があり、ディーゼルエンジンの直列4気筒、1.3リットルがあります。
丸みのあるボディが特徴の前輪駆動の小型車です。500Cはこのオープンカー(カブリオレ)です。
500X(チンクェチェント・エックス)は、コンパクトクロスオーバーSUVです。
フィアットとクライスラーが、共同で開発しています。
エンジンは、ガソリン1.4リットルのターボとチェロキーにも搭載される北米向け専用の2.4リットルの2種、ディーゼルエンジンでは1.6リットルと2.0リットルの2種のターボをラインナップしています。
パンダは、5ドアハッチバック車です。このクルマは開発当初、中国への輸出を企図されていたために「パンダ」と命名されました。現在販売されているパンダは3代目になります。エンジンは、直列4気筒の1.2リットルガソリンエンジンと、直列4気筒の1.3リットルディーゼルエンジンなどがあります。
人気車種をピックアップ
日本の中古車市場では、イタリア車は苦戦を強いられています。
イタリア車というとスポーティーなイメージがあり、フェラーリやランボルギーニのような一部の人気車種を除いて、一般車ではなかなか需要がありません。
そんな中にあって、フィアット500はひとり気を吐いています。
このクルマは外国メーカーのモデル別販売台数トップ20に顔をのぞかせるだけあって、なかなかの人気があります。
フィアット500であれば、一般の買取店でも扱ってくれます。
しかし、それ以外のモデルの場合、欧州車の専門店での売却が高額買取のポイントになります。
2016年11月時点のフィアットの中古相場では、フィアット500、パンダ、アバルト500といったところが高い人気を得ています。
走行距離や車の状態、オプションにもよりますが、フィアット500の場合、平均98万円くらいです。
また、パンダの場合は平均69万円くらいです。
なお、同じモデルのフィアットでも、クルマの状態や査定の時期によって価格は変動しますので、ご自分のクルマの査定額は、実際の査定を受けて確認してくださいね。
フィアットを高値で売るコツ

By: Bjørn Børresen
フィアットは「おしゃれな人が好むクルマ」。
街で見かけるフィアット乗りのオーナーは、スタイリッシュな人が多いように思います。
ライフスタイルにこだわり、買い物をする際も自分好みに合ったものを追求するタイプ、そんな人が選ぶクルマがフィアットでしょう。
同じ欧州車のメルセデス・ベンツやBMWは「クルマらしさ」を感じますが、フィアットは雑貨のような雰囲気。
それはメーカーのコンセプトでもあるようです。
その象徴的な存在がフィアット500。
『ルパン三世』で登場した小さくて黄色いクルマ、といえば知らない人がいないくらい。
通称「チンクチェント」とも呼ばれ、新旧モデルを通算すると70年以上に渡り世界中で愛されてきました。
フィアットを高値で売るコツ、まずは、そのフィアット500から述べてみましょう。
フィアット500のリニューアルモデルは2008年にデビューしました。
2016年11月現在、8年が経ったということですね。
2015年までの買取相場は新車の65%が目安とされ、中古車市場でも高値で推移していました。ところが2016年になってからは少し変化が出てきました。
当初のように高いresale valueを維持しているフィアット500は、新車に近い低走行車か限定車のみです。
それ以外のグレードについてのリセールバリューは50%程度と見るべきでしょう。
これは「供給過多」を意味します。
要するに、欲しい人は買い尽くしてしまっていて、新車の売れ行きも落ち着いてきた。
そして、乗り換えは軽自動車やスマートなどの別メーカーに流れつつある、ということです。
不思議なことにフィアット500からフィアット500への乗換率は低いのです。
一度乗って、飽きたら売る、そんなクルマじゃないような気もするのですが…。
これらを踏まえ、もしあなたが売却を考えているならば、なるべく早めに売ることです。
時間が経てば経つほど、査定額は下がります。
では、どこで売るべきか。
高額売却手法1:「店を選ばずどこでも売れる!01」
フィアット500については、正規販売店にこだわらず、一般の買取店をお奨めします。
そのためには一括査定サイトで最高買取り価格の会社を探す必要があります。
例えば「軽自動車とコンパクトカーがメインで規模が大きめな中古車店」。
なんとなく郊外にありそうですね。
幹線道路に軒を並べていそうです。
もし、そういった店でフィアット500が1、2台置いているようなら狙い目です。
持ち込む際のコツとしては、まずは洗車をし、一見して「綺麗なクルマ!」という印象を与えることが重要です。
一般的に規模が大きめの中古車店では、扱う台数が多いため、一台一台をこまかく整備するなどの手間を嫌う傾向にあります。
特に、整備工場を併設していないような店では、それが顕著に表れます。
そういったタイプの店2、3件から査定額を出してもらい、比較検討する。これがベターです。
フィアット高額査定のためのポイント整理 1
・フィアット車は一括査定サイトを上手く活用して数の買取店を比較検討する。
・整備工場を併設していない買取店はお勧めしない。
・見た目のきれいさを保ったままでの査定に持ち込むことがおすすめ。
高額売却手法2:「店を選ばずどこでも売れる!02」
上記の売却方法がベターではありますが、希望する査定額が出ないケースもあるはずです。
そんな時は、あなたの”感”を試してみましょう。
それぞれの中古車販売店には「匂い」があります。
例えば、メーカー直営の店は大規模で小綺麗。
ショールームが併設されている場合もあります。
一方で、数台しか置いていなくて、事務所はプレハブ。
そんな店もあります。誰もが足を運びたくなるのは前者でしょう。
しかし、目的は「愛車を高値で売る」こと。目指すは高査定ですから、店の外観なんて無関係です。
そういう基準で考えてみると「ああ、あそこに小さい中古車屋があったな」と思い出すものです。普段の付き合いはなくても、思い切って査定してもらったら、意外や高査定! なんてこともあるのです。
フィアット高額査定のためのポイント整理 2
・イタリア社を高く買ってくれる買取店の「匂い」に敏感になる。
高額売却手法3:「パンダの4×4以外は正規販売店で」
実際のところ、フィアット500以外のフィアットは売りにくいクルマです。
500の好調さに便乗するかたちでデビューした500Xも、物珍しさはあるにせよ、高額査定を期待できるような品薄の人気車種というわけではありません。
こういった場合は売却先の第一候補に正規販売店を置きつつ、オークションサイトにチャレンジしてみるのもいいでしょう。

BMWの項目で述べたように、オークションサイトで売るためのポイント「タイミング」と「見せ方の工夫」を押さえれば、予想外の価格で売れる可能性もあります。
お次はパンダです。
外観は500に引けを取らない愛くるしさを備えています。
現行の三代目パンダ4×4はMT車で6速。これは、言わずもがな「マニア車」です。
したがって、500のような八方美人とは言えず、売却先もそれに見合った店かオークションサイトがベターでしょう。
しかし、イタリア車の専門店は探せば見つかるはずですし、熱狂的なファンがいることも事実。
手軽さでは専門店が上ですが、複数の専門店に見積もってもらうにはそれなりの労力が必要になります(一括査定サイトの助けなどが必須となるでしょう)。
さらに、こういった店の査定額は低めの場合が多いようですので、ある程度のところで妥協する覚悟も必要でしょう。
最後に、三代目パンダのFF車は、よほど高価なオプションなどが装備されていない限り、一般的な「査定基準」が適用されるはずです。
したがって、正規販売店を含め、複数の販売店からの見積を検討しながら、タイミングよく売ることをお奨めします。
フィアット高額査定のためのポイント整理 3
・思い切ってオークションに挑戦してみるのもあり。
・イタリア社専門店の買取価格は案外安い。
・一括査定サイトなどで複数販売店から見積もりを取る。
まとめ -癖のあるイタリア社に愛情ある売却先を探す-

By: Bjørn Børresen
フィアット車が他メーカーの車よりも売りずらい事実はなかなか変わりません。
ただしこれはフィアット社に限らず、ほとんどのイタリア車に当てはまる特徴ですので、こんなことを今更悔やんでも致し方がないでしょう。
それよりは、「癖のあるイタリア車だからこそ愛情を注いでいる」という買取店をいかに探すことができるかに心血を注ぐべきでしょう。
そのためには、一括査定サイトをうまく活用して、「イタリア車ファナティック」の業者をあぶりだす戦略が必要となってくるでしょう。
あなたのフィアット車に対し、熱烈に高額買取を希望する企業は、数は少ないかもしれませんが、上手な探し方によって必ず見つかることを保証しましょう。