売却前の予備知識:日本で最も人気の高い外国車メルセデス・ベンツを知る
日本では「ベンツ」と呼ぶ方が一般的かもしれません。
輸入車の中でもドイツ車の人気は高く、メルセデス・ベンツはその中の代表格と言えます。もっと言うと、「外車と言えば、ベンツ」といっても過言ではありません。
特に、富裕層に人気があり、ひとつのステータスシンボルともなっています。
メルセデス・ベンツの魅力は、やはり高速走行時の安定性にあります。高速道路を走行中、路面にピタッと吸い付くような安定感には格別なものがあります。
さて、「メルセデス」という名前ですが、1899年当時、ダイムラー社のディーラー(販売代理店)だったエミール・イェリネック(Emil Jellinek )の娘の名前に由来しています。
メルセデス・ベンツの歴史は、1886年にカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーのふたりが、それぞれ別々にガソリン自動車を発明したところから始まります。
1926年に、このふたりが会社を合併させてできたのが、「メルセデス・ベンツ」です。
その後、社名を何度か変え、現在ではダイムラーになっています。
しかし、クルマのブランド名は終始一貫して、「メルセデス・ベンツ」のまま変わっていません。それは、創業者であるふたりが、この名称にこだわりを持っていたからでしょう。

圧倒的な安全性へのこだわり
メルセデス・ベンツは、クルマの安全性にかかわる事柄について多くの実績を上げています。創業以来「快適かつ安全に目的にまでたどり着ける」という哲学をもとにクルマの設計を続けています。それは、いち早くエアバックを装備したところにも見ることができます。
ここで意外と知られていない小ネタ披露しましょう。
すでに乗ったことのある人ならご存知かもしれませんが、2010年以降のメルセデス・ベンツのライトスイッチには、「Off」がありません。
「ON」と「AUTO」のみが選択できるようになっているのです。
それは、ライトのつけ忘れ、トンネル内や夕暮れ時の無灯火走行をドライバーに代わってクルマ側で防止するための措置です。
また、4代目Sクラスから採用された、側面方向指示器をドアミラーに内蔵する方式も、世界中のメーカーが追随しています。
このように、メルセデス・ベンツは安全面に関して、他の自動車メーカーに多くの影響を与えてきました。
メルセデスAMG
メルセデス・ベンツには、「メルセデスAMG」というサブ・ブランドがあります。これは、AMGというチューニングを施したモデルに付けられるブランドです。
AMGは、もともとレース用の自動車エンジンを設計する会社として創業されました。
1999年に当時のダイムラー・クライスラー社に吸収され、2014年からは「メルセデスAMG」となり、「究極のハイパフォーマンスを追求するモデル」と位置付けられています。
メルセデスAMGは、各モデル専用のアルミホイールやエアロパーツが装着されていて、AMGのエンブレムがついています。
強力なエンジンと強化された車体やサスペンションを持ち、スポーツ走行に最適化されています。
そんなAMGは、現在においても世界中のセレブやクルマ好きの羨望の的となっています。
販売網とスリーポインテッド・スター
現在、メルセデス・ベンツの日本での取り扱いは、ヤナセとメルセデス・ベンツ店の2つで行われています。
日本におけるメルセデス・ベンツの新車登録台数は、2015年で約65,162台でフォルクスワーゲンを抜いて1位です。輸入車の中でのシェアは約19.6%を占めています。
メルセデス・ベンツの人気の高さは、外国メーカー車モデル別トップ20にも表れていて、トップ20の中に6モデル(!)がランクインしています。
内訳をみると、3位にCクラス(21031台)、9位にCLAクラス(8,054台)、11位にAクラス(6,752台)、12位にEクラス(6,097台)、13位にSクラス(5,844台)、15位にGLAクラス(5,241台)となっています。
メルセデス・ベンツのエンブレムは、合併前のダイムラー社が使用していたスリーポインッテド・スターとベンツ社の月桂冠を合わせてデザインされています。
スリーポインッテド・スターは、陸・海・空を表し、それぞれの分野でのダイムラーベンツ社の繁栄の願いが込められています。
メルセデス・ベンツの現行モデルラインナップ
メルセデス・ベンツは、2015年から新しい車名ルールが採用されました。
これは、車種拡大を続けた結果、車名が複雑になったためです。
現行のモデルは、既存のクラスであるコンパクトカーのAクラス、Bクラス、セダンタイプのCクラス、Eクラス、SクラスSUVのGクラスの6種類があります。
これに4ドアや2ドアのクーペ、SUVなどの派生モデルを示すGL(SUV)やCL(クーペ)をクラス名の前に付けるようになっています。
例えば、Aクラスの4ドアクーペの場合は「CLA」クラス、SUVの場合は「GLA」クラスとなります。
また、クーペカブリオレタイプのスポーツカーであるSLKクラスは、「SLC」クラスとなり、「SLK」という名前は3代目で終了となりました。
また、「GL」は「GLS」、「ML」は「GLE」、「GLK」は「GLC」にそれぞれ変更されます。なお、「CLS」はEクラスベースの車種ですが、変更はありません。
人気車種をピックアップ

By: DigitalRalph
気になるメルセデス・ベンツの中古車市場ですが、高級車のイメージがあり、比較的査定額が付きやすいクルマです。
中古車市場においても、メルセデス・ベンツの人気は高まっています。
人気の中心は小型車モデルで、エンジンも2リットル以下のモデルです。こうしたモデルでは、普通の買取店などでも国産車と同じように売買されています。
メルセデス・ベンツの場合、モデルチェンジの間隔が長いので旧モデルになるとかなり安くなります。
また、大排気量モデルなどは、一般的な中古車販売店では、扱うクルマが日本車中心になるので、なかなか難しい面があります。
ですので、こうしたモデルの場合は、メルセデス・ベンツを専門に扱う業者にあたってみる方が得策です。
2016年11月時点のメルセデス・ベンツの中古相場では、Cクラス、Sクラス、Eクラスといったところが高い人気を持っています。
走行距離や車の状態、オプションにもよりますが、C180の場合、平均200万円くらいです。また、S300hの場合は平均700万円くらい、E350では平均は169万円くらいです。
なお、同じモデルのメルセデス・ベンツでも、クルマの状態や査定の時期によって価格は変動しますので、ご自分のクルマの査定額は、実際の査定を受けて確認してください。
クルマを売る場合には、いくつかの方法があります。
ひとつは、中古車販売会社に買い取ってもらう方法、ディーラーに下取りを出す方法、オークションサイトなどへ出品して、個人売買を行う。
これに加えて、最近では、個人売買の代理を行ってくれるところもあります。
これらの中からで、最も高く売れるのが、個人売買です。
ただ、個人売買の場合、トラブルなどに関するリスクも高いあります。
次いで、中古車販売会社、ディーラーの下取りという感じです。
年式が新しく、走行距離も短く、きれいであれば当然のことながら、高く買いとってもらえますし、そうでない場合は価格は下がります。ですので、クルマを売るときの査定を受ける前には、必ず洗車と社内の掃除をしておきましょう。
実際に売却をする際には、何社かの査定をお願いしてみてください。
というのも買取会社によって、査定額の幅が広いからです。
複数社の見積もりの中で最も査定額の高いところに売却することをお勧めします。
だいたいが無料で査定してくれます。
メルセデス・ベンツを高値で売るコツ
上記のように、メルセデス・ベンツはグレードを問わず人気があり、売却先の選択肢も数多くあります。
それはすなわち「メルセデス・ベンツには需要がある」ということ。
誰もがスリーポインッテド・スターを冠したクルマに乗りたい、と思っているわけです。
となれば、なるべく高く売りたいものですね。
そういった売り手優位のメルセデス・ベンツを高く売るコツは、主に3つあります。
高額売却手法1:「購入した正規販売店で売る」
結論から言うと、正規販売店では「普通に乗られていて、普通にメンテナンスされていて、今後も普通に乗れる」という当たり前の状態のクルマが高く買取られます。
何度か述べていますが、メルセデス・ベンツの魅力は、そのステイタス性にあります。
なので求める人も、中古車と言えど安心して乗れるクルマを求めています。
そのため、メーカー保証の付いたクルマを選びたがる傾向が強いのです。
車両を売る際には「自分が買うとしたら…」を基準に考えてみましょう。
もし、自分が所有しているクルマが、個性的なカスタムなどを施していた場合、販売店の査定はマイナスに作用することが考えられます。
また、過去の修理が正規販売店以外で行っていたとしたら、部品もOEMなどの社外品や汎用品が使われているかもしれません。
あえて申告する必要はありませんが、販売店が純正部品での整備を査定条件に加えている場合は、マイナス評価になるかもしれません。
なぜかと言うと、買取る側の販売店にとっては、オリジナルの状態に戻すための手間と費用が増えることになるからです。
ここで「あー、弄りすぎたかなー」とがっかりした人もいるかもしれません。
でもまだ対策はあります。
まず「オリジナルに戻す」ことを考えましょう。
そこからは「費用対効果」です。
現状の見積り額から「オリジナルに戻す費用」を引いてみましょう。
それを売値相場と見比べてみて、プラスになるようでしたらオリジナルに戻すほうが正解。マイナスになる場合は、そのまま売る。
これが正規販売店での売り方のコツの一つです。
メルセデスベンツ高額査定のためのポイント整理 1
・「メーカー保証付き」「オリジナル車両」が重要視される。
・カスタム車輛は正規ディーラーではマイナス査定の可能性大。
・カスタム車輛は「オリジナルに戻す手間と費用」との比較で考える。
高額売却手法2:「正規販売店以外の高級車専門店で売る」
正規販売店で納得のいく査定額が提示されなかった場合、「渋々売るのもなんだかなぁー」という人も多いでしょう。
でも、嘆くのはまだ早いです。
メルセデス・ベンツは人気メーカーだけに、正規販売店以外でも買取を希望する店は多いのです。
狙い面は「レクサスなどの高級国産車と外車を中心に扱う、街の中古車屋」。
こういったタイプの中古車店は、「高級嗜好」を売りにしている店です。
「嗜好」というのがミソですね。
詳しく説明すると、メルセデス・ベンツだけにこだわらず、BMWでもアメ車でも高級嗜好のお客さんが求めるクルマを扱う、といったスタンス。
当然ながら、お客さんもメーカーにこだわらず、メルセデス・ベンツからBMWへの乗り換え、アメ車からメルセデス・ベンツへの乗り換えということが、この店を媒介して行なわれているのです。
こういった店では、正規販売店ほどオリジナルへのこだわりはありません。
むしろ、「綺麗でカッコいい!」が価値になる場合が多いのです。
となれば、正規販売店でマイナスだった社外品部品の問題や、カスタムを元に戻す労力もかけずに、納得の売値を獲得できる可能性が高いのです。
それどころか、カスタムしたことが思わぬ高査定に転じる可能性さえあるのです。
メルセデスベンツ高額査定のためのポイント整理 2
・「高級志向」を売りにする町の中古車専門店が査定先として狙い目。
・カスタム車輛はむしろ町の中古車専門店では高額査定の可能性大。
高額売却手法3:「個人売買で売る」
結論から述べると、オークションサイトでは「運が良ければ高く売れる」です。
あやふやな言い回しのようですが、利用された人なら誰しも共感できるはずの理屈ですね。
しかし、オークションサイトでメルセデス・ベンツを売る場合は、他のモノを売るより利点があります。
それは、先に述べたように誰もが欲しがる人気メーカーだからです。
もし、上記二つの売却方法でも納得できる査定額が提示されなかった場合、一度オークションサイトに出品してみるのもよいかと思います。
オークションサイトで買う人は、正規販売店や高級車専門店よりも安くメルセデス・ベンツ車を購入したいと考えています。
「保証やアフターサービスがなくても、とりあえず安く買いたい」。
オークションサイトは、そんな需要で成立しているのです。
そこで考えてみましょう。
あなたのクルマの査定額が100万円として、買取った販売店は130万円で売る。
その差額が販売店の利益になるわけです。
オークションサイトで買う人の基準は「販売店で買うと130万円だから、オークションサイトで115万円なら安い!」ということになりますよね。
そうすると、あなたは販売店で売るよりも15万円高い115万円で売ることに成功するわけです。さらに買う人も130万円より15万円安い値段で買うことに成功する。
ほら、完全に利害が一致しました。
しかし、最初に述べたとおりオークションサイトの実情は「運が良ければ高く売れる」です。
売る際の「運」とはなんでしょう。
それは「タイミング」です。
もしあなたが出品した同じタイミングで、ほぼ同じ状態のクルマを誰かが出品したとしましょう。落札しようとしている人の判断材料は「価格」だけです。
あなたが設定した価格が安ければ売れる、高ければ売れない。
そういったことは、運と呼ぶしかありません。
ただ、その時、あなたが少しだけ価格を低く設定することで逆転も可能です。
オークションサイトでクルマを売る際には、出品したからといって放置せず、こまやかな調整とリサーチが奏功するのです。
メルセデスベンツ高額査定のためのポイント整理 3
・個人売買は「運が良ければ」売れる。大切なのは「タイミング」。
・保証よりも何よりも「価格のみを重視する層」との交渉になる。
・オークションでもベンツはかなり流通しやすい車種といえる。
まとめ
メルセデス・ベンツの売却には、その独特のステータス性と買取業者の狙い(高級嗜好など)を理解した戦略を立てるのが一番良いでしょう。
正規ディーラーに売却するか、それとも、高級車専門店に購入しても売らうかは、車両カスタムの度合いによって差が出る点もご理解いただけたかと思いますが、メルセデス・ベンツはどの業者も高値で買い取りたい車両であることは間違いありません。
従って、一括査定サイトと外車買取り専門店を織り交ぜて、できるだけ多方面から見積もりを取って、買取業者を競争させることで価格を釣り上げる戦略をとりたいところです。