ジャガー車に乗っている方で車検を受けようと考えている場合、まず依頼先の候補に上がるのは購入した店舗か、近所のジャガーディーラーだと思います。
けれどディーラーの車検には、どうしても高くなるというイメージが否めません。そのせいで、ディーラーでの車検を躊躇している方もいるのではないでしょうか?
しかし、ディーラーの車検が他の整備工場などと比べて高いのには、相応の理由というものがあります。
その点を理解すれば、きちんと納得して車検を通すことに繋がるというものです。
そこで今回は、ジャガー系列ディーラーでの車検の詳細と、実際の相場について紹介していきますので、ディーラーで車検を受ける方は参考にしてみてください。
ジャガーディーラーの車検への取り組み方

引用:http://www.jaguar.co.jp/ownership/index.html
自動車メーカーにとって大切なアフターサービスは数多くありますが、中でも一般ユーザーの関心が最も高いのが車検です。
まずは、日本でジャガーの正規輸入元である、「ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社」の車検やアフターサービスへの考え方、取り組みを見ていきましょう。
ジャガー専門のメカニック
ジャガーディーラーにいるメカニックたちは「テクニシャン」と呼ばれ、日々の業務や独自のトレーニングプログラムを受けています。
基礎レベルのアプレンティス
点検整備・基礎診断を担うレベル2
車検整備、基本リペア、故障診断を行うレベル3
高度な故障診断、高度なリペア、接客ならびに問診力を求められるレベル4
そしてレベル4の学習課程を修了し資格認定されると、マスターテクニシャンの称号が授与されるのです。
つまりジャガーディーラーで車検に出すということは、ジャガー車に対する豊富な知識と、豊かな経験を持ったジャガーの専門家に見てもらえることを意味します。
しかも、イギリス車は自動車整備業界でも特殊な車と言われていますので、より安心して点検整備を任せることができるわけです。
また、テクニシャンだけではなくサービスアドバイザー(フロント)、セールスエグゼクティブ(営業)など、すべての職種を対象にしたトレーニング制度、資格制度があり、長く安心してジャガーに乗るための体制が整えられています。
専用診断機
今や自動車の制御はコンピューターの時代です。
エンジンやトランスミッションはもちろん、自動ブレーキやエアバックなどの安全装置、エアコンやカーナビなどの快適装備に至るまで、すべてコンピューターが制御しています。
近年のジャガーにおいても、それは同じです。多くの電子部品と、それを制御する個々のコンピューターが複数あり、すべてのコンピューターが相互に通信することによって複雑な制御を行っています。
そのため故障診断では目に見えない深い部分までの診断が必要になり、何気ない整備ひとつ取っても専用の診断機による設定が必要となるなど、専用診断機の出番は多くなる一方です。
ジャガーディーラーの整備工場では、当然のことながら専用診断機を備えており、迅速かつ正確な点検整備作業を行うことができます。
安心の純正部品
ジャガーをはじめとするイギリス車は、世界の自動車メーカーの中でも特殊な部類とされています。
そのため汎用性や価格を優先している社外品よりも、自動車メーカージャガーの厳しい検査をクリアしている厳選された純正部品を使用することが、長く安心してジャガーに乗るためには必要です。
ジャガー新車延長保証
新車購入から3年間は、無償のメーカー保証が付帯され安心ですが、3年を過ぎてしまうと、万が一の故障が起きた時の費用は、ユーザーの自己負担となります。
ジャガー系列ディーラーでは、延長保証プログラム「JAGUAR NEW CAR EXTENDED WARRANTY」に加入することができ、最大で新車登録から5年間まで保証を延長することが可能です。
加入は新車購入後3か月以内または24か月以内で可能、新車登録後3か月以内であればお得な料金で加入できます。
また、ジャガーを新車で購入した場合には、メーカーの保証修理はもちろん、初回車検までの3年間、法定1年点検や、エンジンオイル、ブレーキオイルといった、メーカーが指定した消耗品の交換が無料で受けられる「JAGUAR PREMIUM CARE」、「MY JAGUAR CARE(消耗品高官は半額)」さらに、最大で5年目(200,000km)まで延長できる「MY JAGUAR CARE +」が用意されています。
各ジャガー系列ディーラー車検基本料金
ジャガー系列ディーラーは、国産車ディーラーと大きく違います。
まずはジャガーの代表的なディーラーの車検基本料金について触れていきましょう。
国産車との違い

引用:http://www.jaguar.co.jp/index.html
一般的に輸入車の車検金額は、国産車と比べると1.5倍高いと言われています。
ジャガーなどの輸入車と国産車では単純な比較は難しいとされていますが、大きさや、エンジンの排気量など同格の車種でありメーカーを代表するFセグメント(最上級)である、ジャガーXJとトヨタセルシオでの、車検にかかる基本料金を比較してみたいと思います。
トヨタセルシオ車検基本料金
点検基本料金・・・¥24,994
継続検査料・・・¥10,800
検査手続代行料・・・¥9,720
合計・・・\45,514
ジャガーXJ車検基本料金
車検整備基本料・・・\30,300
保安確認検査料・・・¥16,500
車検代行費用・・・¥21,000
合計・・・¥67,800
一般論通り、約1.5倍の金額差となりました。
また、ジャガーのようなちょっと特殊なメーカーの場合は、車検の基本料金以外にかかる、修理費に注意しなければなりません。
ひと昔前は「外車は壊れやすい、特にジャガーはとにかく壊れる」と言われることが多かったのも事実です。1年の半分は修理工場にあったなんてことも聞くこともあります。
しかし、21世紀に入ってからのジャガーでは随分と改善されたようです。とは言え、国産車と比べると確かにオイル漏れや、ブッシュと呼ばれるゴム製品の劣化などが多く見受けられます。
そしてベンツやBMW、ワーゲンなどの比較的日本ではメジャーな輸入車と比べると、ちょっとした部品でも調達に時間がかかるなど、まだまだ改善の余地があるようです。
基本料金はなぜ違うのか
自動車の整備や点検にかかる工賃レバレートは、1時間あたりの金額をもとに算出されます。
ジャガーに限らず輸入車ディーラーの工賃レバレートは、国産車ディーラーに比べ割高に設定(およそ1.2~1.3倍程度)されており、結果的に車検における基本点検料が割高になるわけです。
万が一にも修理作業が発生してしまった場合には、その分の工賃も多くかかってしまいます。
では何故、整備料金を決定づけるレバレートが割高に設定されているのかというと、やはり1番の理由は日本国内で走っている対象台数の違いです。
例えば研修費、特に開発拠点が海外にある輸入車の研修は、絶対数で国産車に劣っているため複数の研修施設を作ることは難しく、日本国内に設けられた研修施設での宿泊を伴う研修となるため費用が掛かります。
また、整備機器などの設備費も対象台数が多ければ安くなっていきますが、やはり対象台数が少ないジャガーのようなメーカーでは、国産車に比べて多くかかってしまうわけです。
まとめ
現在のジャガーはランドローバーとともに、インド・タタ・モーターズ傘下となっていますが、ジャガー、ランドローバーをはじめとしたイギリスの自動車メーカーは、ドイツやフランスと並んで自動車の歴史上で大きな役割を果たしてきました。
しかし、定期的に訪れる世界的な不況の影響で多くのイギリスの自動車メーカーが淘汰されていく中、外国資本の傘下となった今も、これぞ紳士の国イギリスの量産高級車メーカーとしてのこだわりを持ちながら存在している希少なメーカーです。
ジャガーを車検に出そうと考えているのであれば、末永く大切に乗るためにも、一度ジャガーディーラーでの見積など相談してみてください。