日産車に乗っている方で車検を受けようと考えている場合、まず依頼先の候補に上がるのは購入した店舗か、近所の日産ディーラーだと思います。
けれどディーラーの車検には、どうしても高くなるというイメージが否めません。
そのせいで、ディーラーでの車検を躊躇している方もいるのではないでしょうか?
しかし、ディーラーの車検が他の整備工場などと比べて高いのには、相応の理由というものがあります。
その点を理解すれば、きちんと納得して車検を通すことに繋がるというものです。
そこで今回は、日産系列ディーラーでの車検の詳細と、実際の相場について紹介していきますので、ディーラーで車検を受ける方は参考にしてみてください。
日産の車検への取り組みと考え方
自動車メーカーにとって大切なアフターサービスは数多くありますが、中でも一般ユーザーの関心が最も高いのが車検です。
まずは自動車メーカー日産としての車検への考え方、取り組み方について見ていきましょう。
クルマを知り尽くしたプロが実施
ディーラーに車検を出す最大の理由は、ディーラーならではの専門性がもたらす安心感です。実際に日産では、専門性を伸ばすための「日産サービス技術習得制度」という独自教育制度を導入しています。
そして専門的で高度な知識と技術を必要とする電気自動車では、点検内容や一般の自動車とは違った目線での点検が必要になるので、その点についても安心して任せられると言えます。
また、蓄積されたデータや豊富な専門知識をもとに、予防も含めた点検及び、アドバイスを受けることが可能です。
最新技術を駆使して見えない部分まで診断
日産には「コンサルト」と呼ばれる電子システム診断装置があり、エンジン、ミッションだけでなく、エアバックやABSに至るまで、ますます高度になる自動車の電子制御システムの診断を行えます。
そして日産と言えば、三菱と並んで電気自動車を一般市場に浸透させたメーカーですので、日産車専用のコンサルトでは、電気自動車の診断項目も備えています。
マッハプロ車検

引用:http://www.nissan.co.jp/SERVICE/SHAKEN/OSUSUME/MACHPRO/index.html
車検専門店や一部のディーラーに至るまで車検の時短は避けて通れない、大切な品質の一つです。
日産ディーラーにおいても、従来の数日かかる車検メニューのほか、24時間以内で車検を完了する「マッハプロ車検」が用意されています。
このマッハプロ車検は単に早いだけでなく、ディーラー車検のウリとも言える高い品質を保ちつつ、ユーザーのニーズに合わせ、点検項目などを柔軟に対応してもらえるため便利です。
グッドプラス保証

引用:http://www.nissan.co.jp/SERVICE/SHAKEN/OSUSUME/GOODPLUS/index.html
新車で車を購入した場合、新車から3年60,000kmの一般保証と、5年100,000kmの特別保証がメーカー保証として付いています。
このメーカー保証は、期間や距離が超えると保証が切れてしまえば当然、修理費は実費です。
新車購入時または、初回車検時にしか加入することはできませんが、新車保証と合わせ最大7年間に延長することができます。
グットプラス保証にはⅠとⅡなどの延長年数の違いや、新車購入時以外でも加入できること、更に詳細なバリエーションがあり、車種により保証料もことなりますので、ご自分の使い方に合った延長保証を選ぶことが可能です。
しかし新車時加入の場合は、初回車検を日産ディーラーで受けなければ失効してしまうなどの注意点もあります。
各日産ディーラーでの違いは?

引用:http://www.nissan.co.jp/SERVICE/NISSAN-SERVICE/TS/kant.html
現在、街中で見かける日産ディーラーの看板は、シンプルな「NISSAN」、レッドステージ、ブルーステージの三種類です。
かつてはトヨタのように多くの販売チャンネルがあり、各チャンネルでの取り扱い車種に違いがありましたが、現在はすべての店舗において全車種を取り扱っており、実質のチャンネルによる違いはありません。
そして2016年10月現在でもレッドステージやブルーステージは廃止され、シンプルな「NISSAN」の看板に順次変更されている最中です。
しかし見た目の差は無くとも、各地のディーラーはそれぞれ独立した企業であるため、価格やサービス内容に差があります。
地域、販売店による違い
同じ日産系ディーラーでも、その地域や経営方針などにより差が生まれています。
また上記でも述べたように、日産ディーラーは現在、販売チャンネルによる差別化は無いため、公式HPに料金の記載がある販売会社をピックアップしてみました。
全国の日産系列ディーラーの車検基本料金を比較してみましょう。
下記の比較は、車種をセレナ、新車1回目の車検、基本料のみとしています。
また、金額は公式HPに記載のある概算のため、装備やグレードにより金額が変わる場合がありますのでご了承ください。
日産プリンス青森
基本点検38項目・・・¥23,760
保安確認検査料・・・¥8,424
メンテナンスキット・・・¥1,620
合計・・・¥33,804
日産プリンス埼玉
基本点検・・・¥25,704
保安確認検査料・・¥8,640
合計・・・¥34,344
日産プリンス京都
基本点検38項目・・・¥18,252
距離点検18項目・・・¥3,564
手続き代行費用・・・¥9,720
合計・・・¥31,212
鹿児島日産
基本点検料・・・¥24,300
保安確認検査料・・・¥10,800
検査代行手数料・・・¥5,400
合計・・・¥40,500
見てわかる通り、意外なほどに差があります。
特に最後の鹿児島日産と、次に割高な日産プリンス埼玉と比較しても、差額が約6,000円、一番割安な日産プリンス京都とではその差額は9,000円以上と、一般庶民にとっては決して無視できない金額です。
日産系列ディーラーの車検基本料の差
同じ日産系列ディーラーにも関わらず、金額に違いがあります。
その理由は、どのメーカーのディーラーも、そのほとんどが販売小売り事業のため独立した経営をしており、それぞれの方針や戦略などの違いがあるからです。
日産の転換期
日産は経営不振の影響により、1999年からルノーとの資本提携を結び、ルノーの子会社となっていますが、ルノー株式の一部15%を日産が保有し、世界市場での協力関係を築いています。
ルノーとの資本提携の際、日本国内の工場の閉鎖や、資産の売却、人員削減などに伴い、5チャンネルから2チャンネルになり、現在チャンネル販売は実質していません。
そして様々な業務の効率化が図られるなかで、ホームページの基本デザインや、重要なインフォメーションをメーカーHPに集約させ、各販売店の負担軽減が図られたのです。
日産系列ディーラーのHPはどこの地域を見てもほぼ同じデザインになっており、ユーザー側から見ればとてもシンプルで分かりやすい反面、その販売店の独自性は薄いといった印象になっています。
まとめ
整備技術や知識、専用機器があるということは、どこの日産ディーラーに行っても共通した高水準、高品質のサービスが受けられることを意味するため、ディーラーに車検を出す際の最も大きなメリットとなります。
しかしディーラー車検が高いというのは、少々マイナスな部分であることは確かです。
特に日産はディーラーによって車検の金額差が激しいので、選ぶ際には尚のこと慎重にならざるを得ません。
そのため車検に出す際にはインターネットによる情報収集を行い、判断する必要があります。最適な車検を受けるためにはディーラーで車検を受けるのが1番ですが、自分の購入したディーラーの車検費用が高すぎる場合は少し考えものですので、情報収集をした上で判断するようにしてみてください。