車検の到来を確認する方法は、ディーラーからのダイレクトメールなど様々あります。
しかし、日常的に確認できる最も簡易的な方法はフロントガラスに貼ってある車検ステッカーを見ることではないでしょうか。
ここでは、知っているようで知らない車検ステッカーのアレコレについて紹介していきます。

車検ステッカー(検査標章)とは
俗に車検ステッカーと言われていますが、正式名称は「検査標章」です。
この検査標章は車検に合格し、保安基準に適合していることが確認されると、車検証と共に発行されます。
役割としては、次回の車検が到来する年月、即ち自動車検査証の有効期限が満了する年月が示され、使用者などに周知することが目的です。
普通自動車のステッカー
2004年1月までは70mm×70mmの大きさで、4年ごとのサイクルで車検年月によって背景色を変えていました。
しかし2004年2月以降、普通自動車に発行される車検ステッカーは大きさを40mm×40mmとし、年ごとに変えていた背景色は水色に統一されています。
軽自動車のステッカー
従来は70mm×70mmの大きさで、ステッカー上部にある該当年以外の年をくり抜いて貼り付ける方式でしたが2014年1月以降は、大きさを普通自動車と同じ40mm×40mmにし、背景色は黄色、車検該当年月が予め印字されたものに変更されました。
点検ステッカー(点検整備済ステッカー)との違い
自動車のフロントガラスには、車検ステッカーともう一つ丸形のステッカーが貼ってあります。これは俗に「点検ステッカー」と呼ばれ、正式には点検整備済みステッカーまたはダイヤルステッカーと呼ばれるものです。
乗用車であれば12か月ごと、貨物車であれば6か月ごとに定められた法定点検を受け、点検整備が完了していることを示し、次回の点検時期もわかるようになっています。

点検ステッカーの見方
点検ステッカーの表側(外から見える側)には、円の中心に大きく次回の点検年、円の円周上には月が書かれています。
該当する月の部分のみ台紙を残してあり、次回の法定点検が何年の何月なのかがわかるようになっています。
また、点検ステッカーの内側(車内から見える側)には、点検を実施した年月日と実施した工場名、次回の点検年月日が記載されています。
注意!点検ステッカーと車検
本来、車検と法定点検は全くの別物です。
つまり車検ステッカーとは全くの別物と言えます。
特に注意が必要なのは、丸形の点検ステッカーに書かれている年月日は、車検満了の年月日と一致していない場合がほとんどであることです。
法定点検はもちろん法で定められた点検ではありますが、ステッカーに書かれた年月日を過ぎてしまったとしても、法的な罰則は一切ありません。
そのため年月日を意識して見なければならないのは丸形の点検ステッカーではなく、四角い水色または黄色の車検ステッカーです。
車検ステッカーの貼り付け
二輪車や非けん引車などを除き、軽自動車や普通自動車は、原則としてフロントガラスの見やすい位置に貼り付け、提示することが、道路運送車両法第66条により義務付けられています。
提示していない状態では道路を走行させることはできず、違反した場合は50万円以下の罰金が科せられることになっていますので注意が必要です。
車検ステッカーの貼り付け位置
フロントガラスを有する自動車は、上記のように必ず車検ステッカーを貼らなければなりません。
貼り付ける場所には決まりがあり、バックミラー(ルームミラー)が付いている場合は、その前方のガラス部分(バックミラーの裏側のフロントガラス)に、その他の場合は、運転者から最も遠い箇所に貼り付けることになっています。
また、フロントガラス上部に着色されていたり、黒く塗られていたり(セラミックシェード)する場合は、ステッカーが見える位置まで下方にずらし貼り付けます。
つまり、「外から見えやすくするためフロントガラス上部に、かつ運転者の視界を妨げないような位置に貼る必要がある」と理解しましょう。
車検ステッカーの貼り方
業者などに車検を依頼した場合で、その工場が指定工場であれば、車検終了で納車された際はフロントガラスに車検ステッカーの代わりに「保安基準適合標章」が貼ってあります。
そして後日に車検証と一緒に車検ステッカーが郵送されてきますので、ユーザー自らが貼り付けることになります。
しかし意外なことに、多くの方が車検ステッカーの貼り方を知りません。
貼る場所は既に説明してありますが、それでも説明もなしにいざ貼るとなると、どこに貼ればいいのかわからないことが多いのではないでしょうか。
そんな方のために、具体的な貼り方について説明していきます。
1.車検ステッカーの説明書き部分を、切り取り線に沿って切り取ります。
2.ステッカーの上半分を台紙から剥がし、透明シールの上に貼ります。
3.ステッカーの残り部分も剥がし、透明シールの上に貼ります。
4.貼り合わせたステッカーを、フロントガラスに貼り付けます。
なお、貼り付け終えたステッカーの重なり順は、フロントガラス→透明シール→水色or黄色ステッカーとなります。
つまり、水色or黄色ステッカーの車検該当年月が大きく書かれた面が外側に向きいて一番手前になるということです。
人間の心理なのか、透明シールを保護の目的と勘違いし、一番手前に貼ってしまう方が多く見受けられます。
車検ステッカーあるある間違いといえるので、注意しましょう。
また、貼り付ける前には、貼り付けるガラス面を清掃してください。
通常は古いステッカーを工場で剥がす際に綺麗にしているはずですが、その清掃が甘い場合もありますし、スマートフォンなどのフィルム同様、埃などが入り込むと見た目が汚くなってしまいます。
車検ステッカーの剝がし方
ユーザー車検などユーザー自身で車検ステッカーを剥がす場合ですが、乗用車であれば2年間貼り付けられ、夏場の高温や紫外線にさらされてきたため、綺麗に剝がれてくれません。
一説によれば、剥がれにくくなっているのは不正防止の意図もあると言われていますので、尚のこと剥がれにくいです。
しかし、貼り方でも述べたように、新しい車検ステッカーを綺麗に貼るためには、古いステッカーを綺麗に剥がさなくてはなりませんので、綺麗に剥がすコツをご案内しましょう。
まずは手で剥がす
現在のタイプのステッカーに変わってからは透明シールがガラスに貼りついているため、透明シールの角などを少し爪やスクレーパーなどで剥がしてから指でつまみ、ゆっくり剥がすと大部分が綺麗に剥がれてくれます。
もちろん使用環境などにより差はありますが、すべてをスクレーパーなどで剥がそうとすると糊が残りやすいです。
残ってしまった糊は
残ってしまった糊を綺麗に剥がす方法として「蒸らす」「アルコールスプレーをスプレーしラップで包む」など様々な方法が時々紹介されることがあります。
もちろんそれらの方法であれば綺麗に剝がしやすいかもしれませんが、整備工場などではそこまで時間と手間をかけない方法で清掃しています。
ポイントは上記のように、まずは手でゆっくり剥がすことです。
次に残ってしまった糊は、薄めた中性洗剤やパーツクリーナーを使用します。
もしパーツクリーナーが無い場合は、マニキュアの除光液でも代用可能です。
これでほぼ綺麗にできますが、さらに完璧を求めるのであれば水拭きしてください。
もし水拭きで糊の残りを感じた場合は拭いても糊が伸びるだけですので、中性洗剤などで再度清掃してください。
追記:検査標章デザインが平成29年より変更となります
平成28年12月28日の国土交通省発表によりますと、平成29年1月1日より検査標章のデザインが変更となります。これは、フロントガラス全面に貼る検査標章の視認性アップを目的としたものですので、先に紹介したデザインとは下記のように異なることとなります。

引用:国土交通省ウェブサイト
デザインの変更は文字の表示場所のみならず、シールそのものの大きさも上記のように大きくなるとのことです。