車を売却する前に修理をした方が高く買い取ってもらえると思っている人が多いと思いますが、実は査定で減額されたほうが値段的には勝ることの方が多いです。それでも、修理をして少しでもプラスにしたいという人もいるでしょう。そこで今回は、コストをかけずに修理する方法を紹介していきます。



コストをかけずに外装の修理をする
まずは外装の修理に関して、前提として知っておいて頂きたいことがあります。それは安い料金で修理をしてもらうと、ひずみが残る可能性が高くなるということです。特に黒などの濃厚色ではひずみも目立ちますので、修理すると波打っているような跡が残りやすくなります。この波打っているような跡をスルーしてくれる査定士もいますが、厳しい査定士なら修理跡ということで減点されますので注意しましょう。
となると外装の修理でコストをかけず、なおかつ査定時でも減点になりにくい方法はデントリペアです。外装の修理で高額になるのは部品代と塗装代ですが、デントリペアはペイントレス修理なので塗装をしません。つまり塗装代が必要なくなるので、必然的に修理代を抑えられるということです。
ただし、このデントリペアにも欠点があります。今ある凹み部分の色が割れてしまっている場合、この方法は使えません。そして、修理できる範囲にも限界があります。
デントリペア専門業者でも、技術は人それぞれ違います。神業と言ってもおかしくないくらいの技術を持った人であれば、広い範囲の凹みでもデントリペアのみで修理してしまいます。
ですが、ここまでの腕を持った人は全国で見ても極わずかです。デントリペアの基本は平均して最大手帳サイズの凹みまでになるかと思いますので、これ以上に修理範囲が広い場合は諦めましょう。
そして最大の欠点は、デントリペアを専門にしている業者は少ないです。住んでいる地域によっては店がないということも考えられますので、最悪の場合は修理に出さず査定へ出したほうが賢明かもしれません。

デントリペアとは
金属部分にできた小さなヘコミを、特殊な専用工具を使ってキレイに直す技術です。正式名称は「ペイントデントリペア」と言います。
中古部品を流用して外装を修理する
他に外装を修理する方法として、中古部品を使用するという方法が挙げられます。年式の新しい車や人気のあるトールタイプの車だと品薄が考えられますので、同色で程度のいいものは見つからない可能性が高いです。けれど年式の古い車やトールタイプ以外の車の場合、探してみると意外と掘り出し物が出てくる可能性があります。
肝心の中古部品の探し方ですが、車屋に任せてしまうのはやめましょう。確かに任せてしまえば上手に見つけてくれますが、中古部品業者から直接購入するよりも確実に高くなります。自分で探すと手間がかかるかもしれませんが、少しでも安くあげたいのであれば自力で探すことをオススメします。
中古部品業者はネットで探してもいいですが、現物を見て確認した方が直接自分の目で確かめられるので、近隣の車解体業を営んでいる業者を探して連絡してみて下さい。おそらく簡単にみつかると思います。
他にも中古部品を探すとなると、ついヤフーオークションなどを使いたくなるかもしれませんが、オススメできません。レビューなどを見ればわかると思いますが、ヤフーオークションなどのインターネットオークションで買った外装部品は、手直しなしでそのまま使えるものが少ないです。例え商品説明欄に「凹みなし、傷なし」と記載されていたとしても、ほとんどが凹んでいたり、塗装が必要になったりします。
パネル交換時の注意点
程度のいいパネルが見つかればいよいよ交換ですが、これは車屋さんに持ち込んで交換してもらって下さい。交換には専門の工具と、相応の知識・経験が必要です。作業時に傷つけたり壊したりしてしまったら元も子もないので、交換作業はプロに任せるようにして下さい。
挑戦したければ自身で作業することも可能ですが、その時は必ず2人で作業することをオススメします。ただし、万が一にでもパワースライドドアを交換する場合は、必ずプロに任せて下さい。本当に危険です。
コストをかけずに内装を綺麗にする
続いては内装ですが、減点が大きい項目は以下になります。
・タバコやペットなどのニオイに関連するもの
・シートの交換、張り替えに関連するもの
・フロアマットの有無
・ダッシュボードの交換
中でもタバコやペットのニオイは特に減点が高いので、反対にこの点をクリアしてしまえばOKです。そのため多少コストはかかりますが、プロに「査定時にタバコやペットのニオイで減額されたくない」ことを伝え、安く消臭できないか聞いてみましょう。話のわかる業者であれば、やってくれるかもしれません。
車の内装業を専門としている業者は、使用している道具も違います。そのため安い仕事と言えども、素人が丸1日かけて綺麗にした時とではその仕上がり具合は歴然です。大人しく任せてしまうのが賢明でしょう。
そして内装業専門ですので、内装関連全般で相談にものってくれます。例えば、シートにタバコのこげ跡があるといった場合やほつれがある場合もそうですし、破れている場合でも同じく安く修理できないかという意思を伝えれば綺麗にしてくれますので、1つの方法として検討してみて下さい。


電装品を修理する方法
電装品でよく壊れやすいのは、パワーウィンドウ、ドアミラー、エアコンなどが代表的です。ここでは各部位ごとに修理する方法について触れていきます。
パワーウィンドウの修理方法
パワーウィンドウの壊れる原因は、スイッチ不良かモーター不良のどちらかがほとんどですので、原因さえ特定できれば交換してしまいましょう。
不良の原因がスイッチであっても、モーターであっても中古品を探して下さい。査定前ですので、わざわざ新品を使う必要はありません。目的は「正常に動作する」ことですので、中古品で十分です。
スイッチの交換方法は車種によって違いますが、ほとんどがドアトリムかハンドル右下辺りにあります。ドアトリムの場合、簡単なものであればドアトリムを外さなくてもスイッチだけが単体で外れますので手間がかかりません。
反対に少し手間がかかる車種は、ドアトリムとスイッチがビス止めされています。そのため一度ドアトリムを外し、トリム裏面のスイッチを固定しているビスを外す必要があるわけです。ドアトリムはドアにクリップとビスで止められているので、こちらを外すのは少し厄介かもしれません。
この時、無理に引っ張ってトリムを割る、変形させるということはないようにして下さい。ほとんどの車種はビスが見えないようにカバーがされていますので、わからなければ車屋さんでも解体屋さんでもいいので場所を聞いてみましょう。
モーターが不良だった場合は交換が少し厄介ですので、外装部品と同じく中古の部品だけ自ら探し、交換はプロに任せて下さい。少し車の知識がある人であれば自分で交換は可能ですが、リヤドアになると難しくなるのでプロに任せた方が安心です。
ドアミラーの修理方法
続いてドアミラーですが、ドアミラーもスイッチかドアミラー本体が不良になるかのどちらかなので、交換自体は割と簡単です。スイッチもパワーウィンドウと同じく、ドアトリムかハンドルの右下辺りにありますので、先ほどの要領で外して下さい。
ドアミラー本体の不良であればドアトリムを外し、ドア内面からボルト3本とカプラを外して脱着します。この時、2人で作業をすればドアミラーを落とす心配がなくなりますので、できるだけ2人で作業しましょう。
エアコンの修理方法
最後にエアコンですが、エアコンが不良となる原因は様々です。リレーが不良になりやすい車種もありますので、この場合はリレーの交換をしておけば治ることがほとんどのため交換しておきましょう。
大元であるコンプレッサーの不良となると修理代も高額になりますが、こちらも自分で中古品を探して車屋さんに持ち込んで交換してもらいましょう。ディーラーでは部品持ち込みを嫌がられるケースが多いので、修理する時は町工場にお願いすることをオススメします。町工場の方がいろいろ融通の利く場合が多いので、尚のことオススメです。
そして、もうひとつ考えられる故障の原因はエアコンガスの不足です。この場合は補充するだけでいいので、交換してしまいましょう。エアコンガスが完全に漏れている場合はパイプ繋ぎ目のOリングを交換してする必要がありますが、どこの繋ぎ目から漏れているかの診断が難しいので、この場合はプロに任せるようにしましょう。Oリングの交換、ガスの補充くらいであれば査定前に交換しておいた方がトータルではプラスになります。

まとめ
コストをかけずに軽自動車修理を依頼すること自体は難しいことですが、工夫次第では可能となることがわかっていただけと思います。
少しでも高額査定を狙いたいという人は、諦めずに挑戦してみて下さい。
また、車検(軽自動車車検)対策でも修理知識は大いに役立ちます。