車を売却する時に、ニオイは大きなマイナスにしかなりません。では、どのぐらいのニオイであればマイナス評価になるのでしょうか? 臭いと感じる程度は人によって違うため、自分では判断しにくい項目と思うかもしれません。
しかし、マイナス評価になるか否かは除いても、異臭というのものには、ある程度の共通点はあります。特に車の査定に関するニオイで言うなら、主にタバコのニオイと、動物のニオイが代表的です。こうしたニオイというのは室内にこびりつきやすいので、査定に大いに影響していきます。
この問題の大きな障害は、ユーザーが感じにくくなっていることです。タバコを車内で吸ったり、ペットを乗せたりすることが習慣になっている場合、鼻が慣れてしまっているためニオイに気がつきません。そのため、いざ車を売却しようと思った時に「臭うので減点です」と言われても、納得できない人が多いです。
そこで今回は、買取業界における喫煙車と動物臭のある車が、どのような扱いになるのかについて紹介していきます。


喫煙車に対する世間のイメージ
タバコを吸う人にとって喫煙は欠かせない清涼剤ですが、今の世の中はタバコに対してとにかく否定的です。最近では飲食店などでも分煙化が進み、酷いところでは吸うことすら禁止されています。この風潮は、買取業界においても例外ではありません。もしも車内にタバコの臭いがこびりついていたら、容赦なく減額されることになります。
「窓を開けて換気しながらタバコを吸っているから大丈夫」という愛煙家もいると思いますが、非喫煙者の鼻は喫煙者が思っている以上に敏感です。わずかに臭いが残っているだけでも簡単に察知されてしまいます。仮にあなたの車の査定を担当する査定士が非喫煙者であればどうなるか、言うまでもありませんね。
JTが毎年実施している「全国たばこ喫煙者率調査」における2016年のデータでは、男女合算した喫煙率は19.3%なので、およそ5人に1人が喫煙者ということがわかりました。1965年の調査開始の以来、初めて20%を下回ったのです。
5人に1人が喫煙者ということは、残りの4人は非喫煙者ということになります。つまり単純計算すると、5人中4人はタバコの臭いがする車よりも、禁煙車を好むというということです。例えこれが中古市場で人気のある軽自動車でも、喫煙車というだけで再販の際に大きなハンデを背負います。だからこそ、タバコのニオイが残っている車は、買取査定で大きな減点をせざるを得なくなるのです。
こうしたタバコのニオイによる減点を回避する唯一の方法は、車内でタバコを吸わないことです。車内で吸わなければタバコの臭いは残りません。仮に服にこびりついたニオイが残ってしまったとしても、その程度なら芳香剤や消臭剤を使えば十分に消すことが可能です。
といっても、愛煙家にとってタバコを吸わないことは、かなりのストレスになると思います。なので、直接的に車検対策(軽自動車車検)とは無関係ではありますが、タバコを吸っても車内にニオイが残りにくい方法を紹介しておきましょう。
運転席の窓と左リヤドアの窓を下げた状態にする
車の中でタバコを吸う際に、運転席のドアガラスだけを全開にしてタバコの煙を外に出しても、走行中の風によって車内に戻ってきます。その煙は左の後ろ側へ流れるので、左のリヤドアのドアガラスを半分ほど下げておけば自然に外へ流れていってくれるというわけです。
欠点として後席の左側に人が座っていれば、とんでもなく煙たがられます。ですので行うなら1人の時か、もしくは助手席に座ってもらうなどして対応しましょう。ただこれだけのことではありますが、意外と効果がありますので是非とも試してみて下さい。
潔く諦めてしまう
愛煙家にとって、タバコは至福の瞬間です。そのため我慢するということは非常に苦痛なため、多大なストレスになってしまいます。こうした不利益を被るのが嫌というのであれば、査定時減点は諦めるのも1つの方法です。
どれだけ対策をしたところで、自分では気付かない程度の臭いは少なからず残ってしまいます。日頃から気にかけて臭いを残さないようにしていても、査定時に喫煙車だと言われてしまえばそれまでです。
このように、これまでの努力が水の泡となってしまうのが嫌であれば、査定時の減額は諦めて車内でも気にせず吸ってしまったほうが、ある意味で賢い選択かもしれませんね。
動物臭に対する世間のイメージ
では次に、動物臭のある車について紹介していきましょう。動物臭はタバコと臭いの性質は違いますが、かなり独特の臭いがします。こちらも多くの人が不快に感じる臭いの部類に入るため、査定時ではタバコと同じくらい減点数は大きいです。
動物臭もタバコ臭と同じく、ニオイが取れません。その上、動物を乗せていたとなると、どれだけ綺麗に掃除をしても後になって毛が出てきます。中には動物の毛にアレルギーを持っている人も少なくないので、やはり敬遠される傾向にあるわけです。
証拠にオートオークションの出品票にも動物臭などと表記されているほどです。記載しておかないと後々クレームになるぐらい、実は結構デリケートな問題だったりします。
もし自分の車がどうなのか気になる場合は、査定をしてもらう前に一度知人でもいいので第三者にあなたの車内の臭いはどう感じるのか、率直な意見を聞いてみるようにしましょう。知人の口から「動物臭がする」と言われれば、査定士も同じことを言うと思っておいて下さい。いつも一緒にいるとその臭いが当たり前になっているため気付かなくても、知人が「動物臭がする」と言えばそれが第三者の印象ということです。
ペットを車に乗せる時の注意点
そうはいっても、愛するペットと共に外出したい飼い主の方は多いと思いますので、ペット臭の対策方法について紹介しておきます。
やはり一番の対策として考えられるのは、「車内ではゲージに入れておく」ということになるでしょう。まず、臭いが一番につくのはシートやトリム類なので、ここに触れないようにするためにもゲージに入れておく必要があります。
人は運転中シートベルトをしなければいけないので動き回るということはありませんが、ペットにシートベルトはありません。猫でも犬でも車に乗せると、とにかく動き回りますので、シートに直接触れる機会が増えてしまいます。これが臭いの残る原因を作る大きな要因になりますし、シートやトリム類に毛が付着する原因になりますので、必ずゲージに入れておきましょう。
潔く諦めてしまう
こちらもタバコ臭と同様に、減点は我慢すると割り切ってしまうのもありです。いくらニオイや毛の飛散を防ぐためとはいえ、ペットをずっとゲージに入れておくのは可哀想と思うのであれば、査定時の減点は諦めてしまうのがいいでしょう。
まとめ
タバコ臭と動物臭は、残念ながら多くの人が共通する不快な臭いです。ですが、どちらも好きな当事者によっては譲れないものであるというのも事実なため、自由に乗りたいというのであれば気にせず好きなように乗るのが一番になります。
何より、これあくまで多くの人が不快と感じるだけで「車内ではタバコを吸ってはいけない」「車に動物を乗せてはいけない」というわけではありません。「査定時に減点になりますよ」というだけですので、ある程度は割りきって乗ってしまったほうが楽しい自動車ライフが送れるとも言えますね。