車の買取において走行距離は、プラスにもなればマイナスにもなる重要な要素のひとつです。特に軽自動車は、耐久性の問題で普通車に比べると走行距離は厳しめにチェックされます。チェックは日本自動車査定協会が定めた走行距離ごとの加減表によって行われ、年式にもよりますがおよそ5万キロで±0という評価になります。
しかし、走行距離が査定における絶対条件ではありません。走行距離の他に様々な要素が関わってくるので、5万キロを超えているからと言って諦める必要はないわけです。そこで今回は、走行距離と買取額にはどのような関係があるのか、また走行距離が多い車は価値がないのかについて紹介していきます。

走行距離と加減点数
それでは早速、日本自動車査定協会で定められている走行距離の加減点数について紹介していきましょう。
1万キロ …… 0 〜 プラス80点
2万キロ ……マイナス25点 〜 プラス50点
3万キロ ……マイナス65点 〜 プラス30点
4万キロ ……マイナス115点 〜 プラス10点
5万キロ ……マイナス165点 〜 0
6万キロ ……マイナス195点 〜 0
7万キロ ……マイナス225点 〜 マイナス10点
8万キロ ……マイナス225点 〜 マイナス20点
9万キロ ……マイナス285点 〜 マイナス35点
10万キロ……マイナス315点 〜 マイナス50点
以上が日本自動車査定協会によって定められた走行距離の加減点数です。これに年式による加減点数が合わさって計算されて、最終的な加減点数が算出されます。ですので、年式による加減点数の記載も合わせて表記しておきましょう。
1年 …… 0 〜 マイナス315点
2年 ……プラス10点 〜 マイナス280点
3年 ……プラス45点 〜 マイナス245点
4年 ……プラス70点 〜 マイナス180点
5年 ……プラス80点 〜 マイナス140点
6年 ……プラス85点 〜 マイナス125点
7年 ……プラス85点 〜 マイナス115点
8年 ……プラス85点 〜 マイナス85点
9年 ……プラス80点 〜 マイナス75点
10年 ……プラス80点 〜 マイナス65点
10年〜……プラス80点 〜 マイナス50点
以上が日本自動車査定協会によって定められた年式の加減点数です。上記の数の左側の数字が走行距離1万キロのケースで、右に記載している数字が走行距離10万キロのケースです。
年式も関係してくるので一概には言えませんが、この基準では5万キロを超えてくると車両価値はなくなるということがわかります。
中古市場における軽自動車の強み
今から軽自動車を売却しようとしている人の大半は、恐らく走行距離5万キロを超えているのではないでしょうか?そうなると「5万キロを超えた車両は価値がない」と話を聞かされて、ショックが大きかったと思います。
しかし、安心してください。走行距離はあくまでも基準となるだけで、他の要素が強ければ大逆転は起こります。軽自動車の中古車販売価格を見たことがある方は知っていると思いますが、軽自動車は普通車と比べると値落ちせずに販売されているこことが多いです。一度、機会があれば中古車情報誌でも確認してみて下さい。
例えば、年式の同じ軽自動車とコンパクトカーを比べてみて下さい。コンパクトカーは中古車になると一気に販売価格も落ちていますが、軽自動車は価格が落ちていません。理由は、中古市場における軽自動車の需要が非常に高いからに他なりません。これが、他の自動車とは違う軽自動車の強みです。
そのため需要の高い軽自動車であれば、どれだけでも在庫を持ってもいいと考える買取店も少なくありません。軽自動車というだけでプラスになるので、マイナスになりやすい走行距離もカバーできてしまいます。
もちろん走行距離が多い場合、買取時にはそこを狙い撃ちしてきますので注意が必要です。買取側はそれを武器に安く買い叩こうとしてきますが、中古車相場での販売価格を知っておけば反論できますので。言いなりにならないように気をつけましょう。

人気車種の軽自動車は特に査定市場では強い
まず、軽自動車というだけで有利ということを紹介しましたが、その中でも人気車種はさらに上をいきます。車検(軽自動車車検)期間が残っていればなおさらです。
軽自動車の中でも特に人気なものは以下の通りです。
中古市場で特に人気の強い軽自動車の車種
- タント(ダイハツ)
- ムーブ(ダイハツ)
- ミラシリーズ(ダイハツ)
- アトレーワゴン(ダイハツ)
- ワゴンR(スズキ)
- ラパン(スズキ)
- エブリィーワゴン(スズキ)
- Nシリーズ各種(ホンダ)
- バモス(ホンダ)
- 軽商用車
- 軽トラ
- 軽バン
上記が、中古車市場でも人気の高い車種です。こうした車種に乗っている場合、走行距離でおったハンデを大きくカバーしてくれます。どれも有名なものが多いため、納得できるものが多いですね。
とはいえ、やはり10万キロオーバーは厳しい
ここまで走行距離のハンデはカバーできると紹介してきましたが、それはあくまで5万キロ〜8万キロ程度の車です。では、8万キロを超えるとどうなるのか? 結論から言うと、かなり厳しい査定になると言うしかありません。
もちろん、どこで査定しても0ということはありませんが、数万円〜15万程度までが限界です。特に軽自動車は7万キロ程度までであればそうでもないですが、8万キロを超えてくると一気に不利になります。
何故なら軽自動車は、高速走行よりも街乗りが多くなりがちだからです。街乗りでの走行が多くなるとミッションに不具合が生じやすくなり、最悪のケースだと買取した直後にギヤが変わらなくなるといったケースも稀に発生します。そのため8万キロを超えてくると、やはり15万円以上の買取り値は厳しいでしょう。下手をすれば、値段をつけてもらえない可能性もあります。
そうした事態を避けるためにも、8万キロ~10万キロを超えた車は一括査定見積もりを利用するべきです。数万円〜15万円という限界値を超えるのは無理ですが、それでもより高値で買い取ってもらえる可能性を引き上げるのが、この一括見積もりサービスになります。
これは複数の買取店に、一括で査定を申し込むことができるサービスです。そのため欲しいと思った買取店は価格競争を行うため、ユーザーの望む金額になりやすくなります。申込みもウェブで必要事項を入力するだけですので、とても簡単です。10万キロの車を売却することを考えている方は是非とも、この有意義なサービスを利用することをオススメします。

まとめ
買取において走行距離は大きなハンデを負いかねませんが、それでも人気の車種であればカバーできることがわかって頂けたと思います。同時に10万キロに達してしまえば価値が激減するので、値段がつきにくくなることもわかったはずです。そうなった際には一括見積もりサービスを利用して、損をしない取引になるようにしましょう。