軽自動車は比較的高値で落札される傾向にありますが、その中でも査定や落札に影響を与えるポイントと与えないポイントがあります。意外と「ここって影響ないんだ」と思うところもあるので言い切れない部分もありますが、できるだけ理解しやすく各セクションにまとめてご紹介いたします。
中古車買取業車の軽自動車に対する査定基準
まず初めににお話ししておかなければいけないことがあります。中古車を査定する際基準となるのが中古車査定協会より定められた検査基準です。例外もありますが、多くの中古車買取業車はこの検査基準を元に査定をしていきます。
確かに、査定する側も基準が何もないとなると難しいですよね。そして、査定票に記入する際は減点方式を用いることになります。
オークションでは全てと言ってもいいくらい減点方式を採用していますので、検査員も落札側も一目で理解しやすいという特徴があります。
そして、買取業車が査定する際にもう1つ重要なポイントがあります。それは、「誰が査定するかでその査定額は変わる」ということです。
各業者によって得意、不得意はあります。軽自動車ばかり扱っているような業者であれば軽自動車は割と高額で査定されやすいですし、反対に輸入車をメインに扱っているような業者であれば、落札されやすい軽自動車でもあまり査定額が上がらないなど、査定検査基準とは別にその業者独自の基準や事情によって価格に差が出ることもあります。
さらに、その中で誰が担当するかでも変わってきます。例えば、板金塗装の経験者であれば普通はチェックしないような部分までチェックするなどです。
こういった事情があるため査定の基準となるのは中古車査定協会が定めた検査基準であっても各業者、または担当者によって減点ポイントは変わってくるということが言えます。この点は頭の中に入れておいて下さい。
中古車買取業者と落札店が軽自動車をチェックするポイント
査定チェックされる重要ポイント
- 外装
- 内装
- エンジン
- 足回り
- 電装品関係
基本として査定の基準となるのは、中古車査定協会が定める査定基準でその方法は減点方式というお話しを前項では触れましたが、では中古車買取業車は査定時にどういった点をチェックして減点しているのでしょうか?また、落札店が入札しようと判断するポイントはどういった点でしょうか?
この点をを知っておけば査定前に多少なり対策はできますので参考にして下さい。
外装(減点対象になりやすい重要ポイント)
外装で減点になる対象は凹み、傷、ひずみ、錆、腐食、板金跡、塗装跡、ドアなどの交換歴や修理歴等です。外装は厳しいので、なにかと減点対象になりやすいですが、減点にするしないの基準は補修が必要か否かによります。
その凹みや傷を修理するといくらかかるかで計算されるため買い取る側は厳しく目を光らせることになります。この減点基準が緩い人に当たればラッキーですが、厳しい人に当たってしまうと大きな減点は避けられません。
そして、減点対象になるほどの凹みや傷ですが、修理して査定してもらうか、現状のまま査定してもらうか、どちらが良いかと言うと現状のまま査定してもらう方が良いでしょう。板金塗装は素人が手を出してはいけません。余計に見栄えの悪いものになってしまいます。
特に塗装です。カー量販点やホームセンターに行けばボディー色の缶スプレーが売られていますが、塗装で難しいのは調色(色合わせ)です。プロの塗装屋さんは長年の経験や勘で絶妙なラインまで色を合わせます。そして、補修塗装の場合、完璧な調色は不可能と言われています。
完璧な調色は不可能と言われている中で見る者がわからない程度まで仕上げてきます。
缶スプレーはあくまで新車純正色です。経年劣化による色褪せ等までは考慮していません。つまり、缶スプレーで仕上げてもその他のパネルと明らかに色が違うよということがバレバレになってしまうのです。
当然綺麗に塗り重ねること自体も非常に難しいので結局は補修が必要という判断をされてしまいます。ですので減点対象になるような凹みや傷があってもそのままの状態で査定してもらうようにしましょう。
ただし、少し離れて見てもわからない程度の薄い小傷程度であれば査定に影響は与えません。同じくえくぼ程度の凹みも目立たない場所や光で透かさないとわからない程度であれば影響はないと言えます。
次に錆です。
腐食まで進行している場合はもちろん大きな影響を与えます。値段すら付けてくれない業者もいるくらいですし、落札店も敬遠します。
汚れか錆かわからない程度の薄い錆であれば比較的影響は少ないです。落札店も補修するといくらかかるのかを判断材料にしているので目立たない程度の傷やえくぼであれば入札対象になると言えます。
内装(査定を下げる原因となる「タバコ」と「動物臭」)
では内装へ進みましょう。
シートは多少の汚れやシワは許容範囲です。あまり査定には影響を与えません。著しいヘタリは減点対象となります。そして、飲み物をこぼしたシミやほつれ、焦げ跡は大きく影響を与えます。
もし、社外品のシートカバーを装着していて状態があまりよくないようでしたら、外して査定してもらいましょう。
次に内張り関係です。
内張りの傷や汚れは通常使用でつく程度でしたらほとんど影響はありません。最後に匂いですが内装において最も重要です。特に愛煙家には厳しい現実が待ち受けています。
タバコは匂いも曲者ですが、内装を著しく黄ばませます。
軽乗用車のほとんどは天張り(ルーフの内張り)にじゅうたん素材を採用しています。煙は上に上がるため天張りを直撃します。そうなると天張りはヤニで黄ばみます。目で見て黄ばんでいることが確認できるようでしたら査定時の大きな減点はもちろん、落札もされにくいと思って下さい。
動物臭も同じです。動物の場合、匂いもそうですが毛も注意して下さい。
動物の毛に対してアレルギーを持っている人もいるので、そうなると落札店も売り手を探すのに苦労します。
特に軽自動車は薄利多売の傾向が強いので回転率を重要視しています。つまり、落札した車両はすぐに販売→成約したいということです。基本としてすぐに成約される車両を好むため、動物の臭いや毛は良い印象をあたえません。
査定する側も同じです。売りにくいことをあらかじめわかっている車両をリスクをおってまで高額で査定するようなことはしません。ですので、内装はタバコ、そして動物臭など特に注意して下さい。
対策としてタバコのヤニによる内張りの黄ばみを綺麗に落とすことは難しいので、査定価格が下がってもそのまま査定してもらうのが一番かと思います。洗剤などを使って清掃しても綺麗にならないどころか余計に目立ってしまいます。
タバコ臭と動物臭は消臭剤などである程度は消えるかと思いますが、これも限界があります。臭いに敏感な人の鼻をごまかせるところまで消臭するのは難しいのである程度までが限界だと思って下さい。
エンジン(オイル漏れの洗い流しは厳禁)
当然、エンジン本体の不具合は致命的なオイル漏れは論外です。
もし、オイルが漏れているようであればどこから漏れているのか必ず確認して下さい。これは一般の人はなかなか判断しづらいと思うので車屋さんに確認してもらうと良いです。
そして、オイル漏れがしていないにも関わらず、目視で確認できる箇所にオイル汚れがあるような場合オイル漏れを疑われるので清掃しておきましょう。
オイル汚れはカー用品店やホームセンター等でパーツクリーナーというものが売られていますので、購入し清掃すると良いでしょう。
オイル漏れしているのに洗い流してごまかすような行為だけは絶対にやめて下さい。後々必ずもめます。オイルは量も確認しておくべきポイントといえます。オイル漏れがないのにオイルが減るようであれば、オイル食いを起こしている可能性があります。オイル食いもまた修理が必要ですので落札店は敬遠する傾向にあります。
足回り(車屋に確認をしてもらう)
足回りはブーツ関連の破れや、破れまではなくても傷や裂けを確認しておくと良いです。破れている場合、一般の人は中途半端な修理はしないでおきましょう。足廻りは特に車屋さんに確認してもらうことをお勧めします。
電装品関連(エアコンは要注意)
電装関連は部品も多数あるため査定に影響のあるポイントに絞ってお話しいたします。
まずはエアコンです。
ガスが少ない程度であれば補充で間に合いますが、部品代の高いコンプレッサーの故障であれば査定に大きく影響を与えますし買取店へ与える影響も大きいです。
他にも電動パワステやスロットルボディーなど部品代が高額になる電装品の故障や不調も査定に影響してきます。
最近の軽自動車はパワースライドドアを採用していますが、自動で開閉できないような場合も注意が必要です。パワースライドドアのモーターは高額な上交換も非常に手間なので、査定にも影響してきます。
電装品は言い出せばキリがないので、また別の機会に詳しくお話ししたいと思います。
今回紹介したポイントを査定前には必ずチェック
今回は査定や落札に影響を与えるポイントについてお話ししてきましたがいかがでしたか?簡単な判断基準として補修や修理をするのにはどの程度金額がかかるのか?その金額が高額になればなるほど、与える影響は大きいということです。
こういった査定時に重要となるチェックポイントは車検(軽自動車車検)前のタイミングなどで、定期的に見直しておくことが非常に重要となってきます。